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ワークライフバランスがうまく行かない人のための「ピックスリー」(ランディ・ザッカーバーグ)

「今日もできなかった」。毎日のTODOリストを見ながら、やり残しタスクの山を見るのは、実に憂うつにさせられる。毎日、毎日なすべきことは雪崩のように増えてくるが、人生は仕事だけではない。家族のためにも時間を取る必要があるし、健康を顧みなければならない、自分の生きがいだって大切にしなければ何のために生きているかわからない。

ワークライフバランスはわかっていても、なかなかうまくいかない。結局は、仕事の山に押し流されるような日々を送っているのが現実だ。この状況を打開するためのアイデアが「ピックスリー」だ。完璧なバランスを保とうとして、かえってバランスを崩してしまうビジネスパーソンにとって、目からうろこのアイデアと言えるだろう。

著者は、facebook創業者のマーク・ザッカーバーグの実姉、ランディ・ザッカーバーグだ。現在は、facebookを退社して自身の会社を立ち上げている起業家だ。女性で、子供が3人いる母として、どのようにワークライフバランスを保っているのだろうか。その答えが「ピックスリー」となる。

ピックスリーとは何か

ピックスリーとは「PICK THREE」のこと。つまり、3つを選ぶということだ。ルールは、簡単だ。

1:自分にとって大切な分野を5つ挙げる
ランディの場合は「仕事・睡眠・家族・運動・友人」の5つ。この5つは人によって違うだろう。私も自分なりに、5つの分野を書き出してみたが「仕事・家族・読書・健康・生きがい」という感じになった。人生で何を優先したいかは人によって違う。自分の人生を構成する5つの分野を書き出してみよう。

2:毎日、3つを選ぶ(ピックスリー)
さて、大切なのは、ここから。一日ごとに、この5つの分野から3つの目標を選んで、それを徹底的に実行する。残る2つは実行できないが、そのことに罪悪感を抱いてはいけない。何でもかんでも行うわけにはいかないのだ。時には割り切りも必要。
一日ごとに「今日もできた」という感覚を大切にすること。コミットしたことは果たすことができたという実感が人の自尊心を育てる。

3:期間を決めて振り返る
1週間、1か月など、ある一定期間で振り返りの時間を持つ。今週は、家族に何回時間を取り分けることができたか、仕事はどうだろうか。肝心なのは、一日単位ではなく、ある一定期間の中でバランスをとっていくことだ。
例えば、ランディは、一週間出張で家を空ける週はどうしても、自分の時間が「仕事」に偏ることを知っている。それで、前の週には「家族」「睡眠」という時間を意識的に増やすのだ。一日ごとに見ると偏っているように見える時間の使い方も、長期的に見るとバランスが整うのだ。

完璧なアンバランス

1日のうちにバランスよくすべてのことを行おうと思うと、どこかで、燃え尽き症候群のようになってしまうだろう。全速力で綱渡りをしながら、ジャグリングをするような生活が、42.195キロも続くわけがない。
1日ごとに「ピックスリー」(自分にとって大切な分野を3つ選ぶ)することで、日々はアンバランスに見えるが、長期的にみてバランスを取れるなら、それでよいという柔軟な考え方を手に入れることができる。

人が疲れ果ててしまうのは、時に完璧を求めるからだ。ワークライフバランスがうまくいかないのは、一日の中で完璧なバランスをとろうとするからだ。私たちの注意力は、同時にいくつものことに注ぐことはできない、有限のものであると自覚しなければならない。

「べき思考」を手放し、「できたらいいな」と考えられると良い。

1日のタスクは3つで十分

もっとたくさんのことをしたい、もっとしたい、もっともっとしたい~。そんな病に取りつかれている気がする。特にフリーになってからは、休むことは収入に直結する。今日は仕事があっても、明日はないかもしれないから、とにかくやらねば。そんな気分になり、結局365日稼働することになった。

しかし、そんな走り方では、どこかで限界をきたすだろう。人生は短距離走ではなく長距離走だ。ランディのピックスリーに出会ったのは最近だが、それより前から、自分なりに実践していることがある。

それは、一日行いたいタスクを3つ選ぶことだ。

参考:MIT・最も重要なタスクという考え方を大切にする【書評】「減らす技術 The Power of LESS」 レオ・バボータ
参考:行うべき最も重要なタスク「MIT」に全エネルギーを注ぐ。時間も精神力も有限であるがゆえ。

何でもかんでも行うことはできない。集中して、絶対にかたづけるタスクは3つが限度だと気づいたのだ。実は、これメンタリストdaigoさんの本にも書いてあったことだ。

「リストアップするタスクの数を減らすこと。具体的には、to doリストには常に3つしかタスクを書き出さないようにします。そして、その3つを終えるまでは、他のタスクのことを考えない。3つを完遂したら、改めてto doリストを作ります。もちろん、このときもタスクは3つです。」
「3つのタスクを選んで付箋に書く作業は、前日の夜にやるといいでしょう。優先順位を付け、取捨選択といった作業は意志力を消費するので、朝の創造的な時間を使うのはもったいないからです。  夜のうちに明日やるべきことを決めてしまって、朝は悩まずに行動を開始する。そのほうが仕事が捗りますし、新しいアイデアを生み出したりする余裕も生まれます。」

ワーキングメモリ上に蓄えて置ける情報ってのはすごく少なくて、それが積み重なっていくと、メモリが不足して、動きが遅くなる。パソコンと同じなんだね。だからこそ、シンプルにタスクに集中できる「仕組み」が必要なんだ。

アンバランスな自分を認める

人間には限界があるし、それを認めたほうが幸せな気分になれる。すべてのことを完璧にこなすワークライフバランスがうまくいかないのは当たり前。一週間、一か月、一年という単位で、バランスがとれてくればそれでよいという柔軟な考え方が、気持ちに余裕をもたらしていくのかもしれない。

メンタルを強くするというのは、超人になるということではなく、弱くてアンバランスな自分を認めることだ。完璧主義をやめて、柔軟な考え方を獲得するにつれて、心の健康度は増していくだろう。

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大人のADHDグレーゾーンの片隅でひっそりと生活しています。メンタルを強くするために、睡眠至上主義・糖質制限プロテイン生活で生きています。プチkindle作家です(出品一覧:https://amzn.to/3oOl8tq