【インプット日誌】死刑絶対肯定論、室伏式 世界最高の疲労回復他
死刑絶対肯定論―無期懲役囚の主張 美達大和
マケプレで購入。先日読んだ岡本氏の「犯罪者こそ更生します」の中で、特に取り上げられていた著者だったので興味を持った。(参考:【インプット日誌】「反省させると犯罪者になります」を始め岡本茂樹氏の3冊を読了。)著者の美達氏は、殺人を二度起こし、無期懲役で服役している人だ。娑婆にいる時から、月100冊~200冊を読み続けていたビブリオ狂ということで、文章からは知性がにじみ出る。
美達氏は、刑務所内で目にする囚人たちの「反省していない」様子を取り上げて、死刑は絶対に必要であると論じている。囚人が囚人のことを論じる本は珍しいし、殺人犯がどんなことを考えているのかを知る貴重な機会だった。前述の岡本氏は、美達氏は反省の弁を述べるものの、実際には反省していないと断じているが、改めて今回この本を読んだら、両者の主張には大きな隔たりがないようにも感じた。
現行の刑務所の体制では、収監者たちが、本当に「反省」していないのは明らかだ。岡本氏の言うように、本当に気持ちを吐き出す相手がいれば、すべての犯罪者が反省するのかというと微妙な気もする。美達氏が実際に見た死刑囚のように、いざ死刑と宣告されて、自分の死を身近に感じた時に、命を奪われた被害者に感情移入したという話も腑に落ちる。人間ってそんなものかもしれないし。
教訓は、片方の意見だけではなく、両方の意見を合わせて聞くことで、おぼろげにだけれども、全体が見えてくるということだ。
室伏式 世界最高の疲労回復 室伏 広治
脳疲労の回復に関する本が良かったので、最近は疲労回復に焦点を当てて本を読んでいる。そんな中で、室伏氏とバシッと目が合ってしまった。魅力的な装丁だ(笑)。中身はレビュー通りで、疲労回復というより、室伏氏が行ったトレーニング法などが、かなり取り上げられており、一般のビジネスパーソンがそのまま当てはめるような感じではなかった。
しかし、私は、室伏氏の自伝的なエピソードや、疲労に対する考え方(マインド)の面で学ぶことが多かった。危ないなと思ったときには思い切って休むことも大切だし、前に前に進み続けるのを一度やめる英断も必要だ。印象的だったのは「ハンマーを丁寧に磨く」という話だった。スランプに陥った時には、とにかく無心で、試合後のハンマーを磨き続けるようになった。道具を大切にすることで、どんどん記録が伸びるようになった。
成功する経営者がトイレをピカピカに磨き上げたり、掃除したりするのに似ているかもと思った(参考:初心に戻る凡事徹底の教え【書評】ひとつ拾えば、ひとつだけきれいになる 心を洗い、心を磨く生き方 鍵山 秀三郎)。がむしゃらに目標に向かうだけではなく、少しの余裕がないと、折れやすいのかもしれない。個人的には、今後もいろいろ活用できそうなエピソードをたくさん仕入れることができ大満足だった。