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10人のドクターが糖質制限を語る:「スーパードクターズ! いま、糖質制限がすごい! ケトン体生活のススメ」

現在は、スーパーハードな糖質制限はしていないけど、糖質制限のおかげで体重は適正になり(78キロ→65キロ)栄養に関心を持つようになり、全体的な健康度が上がった。ポテチとビール三昧の、あの生活をずっと続けていたら、10年後には成人病で破たんしていたと思う。本当に良い時期に、糖質制限やMECに出会った。

糖質制限は、今では著名な医師の中でも賛同者が多くいる。糖質制限を支持する医師たちは、それぞれも「実践者」であるというのが、理論に厚みを加えるものになっているだろう。今日、紹介するこの本、もともと「食事で健康をwithドクターズサポート」(Facebookグループ)が起点になっているようだ。

執筆協力をしている先生たちは、各分野から「宗田哲男 藤澤重樹 新井圭輔 今西康次 溝口徹 水野雅登 門脇晋 小幡宏一 長尾周格 三島学」(敬称略)。私が、こういうのも何だけど、ドクターたちに怪しげな匂いが無いのが良い。私が、とりわけ興味がある分野、今後の可能性を感じる分野のインタビューなどを紹介したい。

糖質制限の歴史(P8-P11)

糖質制限を日本に広めた第一人者の江部康二氏の特別寄稿が面白い。

過去の歴史を振り返ると、夏目漱石の時代(1916年~)、1943年頃の栄養学までは、糖尿病の治療食は「厳重食=スーパー糖質制限食」だった。1965年初版の食品交換表では、食事療法の中に「糖質の制限」が含まれている。しかし、1969年の第二版では「糖質の制限」が省かれて、カロリー制限派に押し負けていった歴史が読み取れるそうだ。ココナッツオイル論争や、ビタミンC論争も同じですが、ある一定の期間を見なければ、その真偽は見抜けない。

現在も糖質制限批判はあるけれど、糖質過剰の食生活が一般的な時代なので、糖質制限気味で生きたほうが健康に近いのは間違いないと思う。

ちなみに、江部氏が糖質制限の第一人者と言われているが、江部氏が一般向けの本を書いたのが2005年のこと。実は、1999年から釜池豊秋氏が糖質制限を展開していたことはあまり知られていない。この特別寄稿の中で江部氏はちゃんと書いている。江部氏は折に触れて、釜池氏から糖質制限を学んだことを話しているよね。

このお二人には残念ながら確執があるようだ。どっちが、先でも、正しいことが広がっていけばよいので、その辺、ちょっと残念。

その後、2012年に山田悟氏、白澤卓二氏(アンチエイジング界に君臨)、2013年に夏井睦氏(新しい褥瘡治療のパイオニア)、2014年に渡辺信幸氏(MEC提唱者)、2015年に宗田哲男氏(妊婦の糖尿病を激減させた功労者)が一般向けの糖質制限食の本を書いたと紹介されている。糖質制限の流れをくむ人たちが分かる。

ちなみに、別の流れとして荒木氏も、かなり厳しめの糖質制限・肉食を、昔から唱えており、私は、ここから糖質制限を知ったのですが、あまりフューチャーされないのは悲しい。ビタミンC+断糖の西脇氏などは、こちらの流れのようだけど。

ま・・・、誰が本流か、支流か、というのは枝葉の話で、真実・正しいことは、そのうちに明らかになっていくものだ。糖質制限は正しいが、現在の商業体制(砂糖タップリの世の中)とは対峙する関係にある。糖質制限という真実の声がスポンサーに操られるマスメディアの声をかき消すところまで行けるのかは歴史が証明するだろう。

糖質制限とがん(P22~25)

次に、興味深いのが、糖質制限とガンのかかわりについて論じた新井圭輔氏の記事だった。新井氏は自らの体調不良を機に糖質制限に取り組む実践者の一人で著書もある。

新井氏はがんの本質を「過剰糖質処理装置」と呼んでいる。

PET検査は、がんが糖質を中心に取り込む特徴を利用している。過剰に存在する糖質を処理しまくるために生まれた異常細胞が、がんだとすれば・・・。面白い発想。ともかく「糖質が無ければがんは存在しない」という新井氏の発言には重みがある。新井氏は、食事の糖質制限だけではなく「SGLT2阻害薬」(糖質を摂りこむことを制限する薬)などを使いつつ、ビタミンC点滴でガンと戦う方法を患者に試している。

同様の手法を行う医師に西脇氏などがいる。あまりメジャーな糖質制限医師の流れには出てこられないけど。

まあ、私はどっち(の流れ)でもよいんだけど、がんと闘うには、糖質制限が有効だというのは間違いないと確信している。がんの人が食事療法を決めるには、この本を読んでおいたほうが良いと思う。

ちょっと脱線したけど、元に戻ろう。

P64~は、門脇晋氏(外科医)の記事だ。

門脇氏は、糖質制限食を「点滴治療」に応用できないかを探求している。アミノ酸と脂質の点滴成分を増やし、糖質を点滴内に含めない糖質ゼロ点滴を行っている。これこそ、画期的だ。抗がん剤で食べられなくなったがん患者には、ブドウ糖点滴が毎日行われている。もし、がんの大好物が、糖質だとすれば(間違いない)、ほんと、この種の「医療」は逆効果でしかない。

門脇氏の取り組んでいることは、勤務医としては、首が飛ぶすれすれのラインだと思うんだけど、ぜひ、納得せざるを得ない証拠を積み立てて、現在のがん治療を変えてほしいと切に願っている。

ドクターたちの食生活(P75~)

最後に気になるのが、スーパードクターたちが何を食べているのか?という一日の献立。糖質制限を支持する医師たちは自分でも、糖質制限を実践していることが多く、その点が説得力を加えている。しかし、医師たちの献立を見ると「え?これで大丈夫なの?」と思ってしまったのは内緒だ。

特にこの3人・・

宗田氏:朝・昼無し、夕食のみ
水野氏:朝・昼無し、夕食はおかず中心
三島氏:朝・昼(生クリームコーヒー)・夕食11時頃にたっぷりの肉料理

朝、昼食べないで、夜だけ?しかも、夕食11時とは・・三島氏の食事はちょっと驚き。私は糖質制限から始まり、MEC、オーソレモーキュラー、三石巌氏、藤川徳美氏と栄養を学び始めた。その結果として「糖質制限」だけではだめだというのも実感している。

現在の食生活改善の最終到着地点は藤川メソッドだ。

感想まとめ

「制限」(減らす)という発想には限界がある。ふさわしい栄養を「加える」必要がある。そして、最も体にとって良いものを食べているときに「おいしい」と感じるようになっている(人間って素晴らしい!)。私は活動のためには、朝食は特に大事だと思っているんだけど、この辺はどうなんだろう!?

糖質制限・ケトン体ブームに乗っかった「薄い」MOOK本が多いけど、この本は、情報の厚みもあり、面白かった。やはり同じ著者の本を何冊か読むと、だいたい同じ内容だけど、10分野のスーパードクターたちが糖質制限を語るという切り口が素敵だった。こんな本をまた読んでみたい。

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綿樽 剛@AGA・薬を使わない薄毛対策
大人のADHDグレーゾーンの片隅でひっそりと生活しています。メンタルを強くするために、睡眠至上主義・糖質制限プロテイン生活で生きています。プチkindle作家です(出品一覧:https://amzn.to/3oOl8tq

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