収入が増えても幸福感はそこそこで、むしろお金の真価を発揮するのは「貯金」なんじゃないか?説〜消費資本主義!✖️「欠乏」の行動経済学〜
見せつけるための金使いはもうオワコン説
1年くらい前に読んだ『消費資本主義!』を再読いたしまして。
こちらの記事は8ヶ月前くらいに書きましたが、テーマを一言でいうなら
ムダに高級品を買う理由は、自分は有能で仲間や恋人にすべきだと「見せびらかす」ためだぞ!
ということを進化心理学者が語っためっちゃ面白い本です。
確かに、時計やら靴やらカバンやら、ただのポリ塩化ビニルにウン10万円もの付加価値を乗せて、それが売れてるのを観るとなんでなんだろう?と思うのですが
クジャクが重くて鮮やかな羽を見せて求愛したり
タコは吸盤の大きさをアピールしたり
というコスパの悪いことをしても、「自分は健康で知性の高い動物です!」とアピールできることは
・恋人を作って子孫を残す
・仲間を増やして生存率を上げる
という人間の生存本能を考えたら、非常に納得できる話だったりします。
現代においては、なんだかんだ生活の満足度を高めるには「経済的な安定」が1番なのは直感的にも分かりやすいので
俺はこんなに金が使えるくらい、生活が裕福なんだぜ!
というアピールはかなり有効な気がするので納得しますねぇ。
とは言ったものの、そのお金の使い方は幸福感を高めるの?と言われると少し疑問が残る話だったりします。
実際、本書でも後半はこれまた進化心理学を使って
アピール消費にまどわされずに、人類の進化にもとづいた行動をして幸せになろう!
という主張をし、「ちゃんとお金を幸福のために使えているかの32の質問」を載せております。
見てみると、これまでの人間最強の幸福論と一緒で
そのお金をどれだけ友人・恋人・家族に役立てたか?
という質問がほとんどでしたね。
見せつけて寄ってくる人もいるんでしょうが、そういう人は依存度が高そうなものです笑。お金がないとその人に価値がないとでも言わんばかりの態度をとりそう。
貯金が最強の精神安定剤なのは科学的に見て間違いない
私のお金についての価値観は
お金は不確実性に対抗できる精神安定剤だ!
ということです。
どういうことかと言いますと、私の勤めている会社が倒産したり、クビ切られたりしてもお金があれば生活を保たせることができるということ。
手元にお金がなくて、稼ぐために「すぐ働かなくちゃ」と思うと
・心が不安定になり、「すぐ内定が決まるところ」しか見なくなる
・だいたいそういうところはいい会社じゃない可能性が高い
・IQも15下がるみたいなので、余計「やらかす」行動をしそう
なんて思ったり。
とどのつまり、お金は私にとってただのセーフティーネットであります。
私がリスクをとって挑戦するには
1.安心するラインまでお金を貯める
2.そのラインに出ない範囲でお金を使って挑戦
っていう周りくどいやり方をしないとなんですよねぇ。安定するけどチャンスを逃しそう笑。
これは何も私だけの説ではなく、行動経済学だと常識な話でありまして。
お金に対する不安は、現代における最大のストレスだと著書『欠乏の行動経済学』でも申し上げております。
お金がなくて不安になると
・不安で眠れなくなる
・肥満を引き起こす
・紛らわせようと酒やタバコに走る
・見た目が老ける
・人間関係(特に恋愛)が破綻しがち
と、とにかく人生の質を下げまくる傾向にあることが分かっていて本当に怖いんですよね。。。
そんなことを防ぐのが「貯金」です。
お金に対する安心感があると
・どこへ行ってもやっていけると思える
・自分の趣味に時間を使える
・ムダ遣いしても全然平常心でいられる
と、とにかく精神的にラク!なんですよ。
お金は、収入が増えてもそこそこの幸福度ですが精神的な安定にはもってこいです。
「貯金」はバカのやることだ!とか言ってる人は煽ってるだけ
ただ、
・貯金は「死に金」なんだから使ってやらないと!
・むしろ若いうちから貯金なんかしない方がいいよ!
・お金は自己投資に使おうぜ!
と言う人は周りに多いなぁと感じます。
個人的には全く同意しない話で、先ほどの例なら
・貯金は「死に金」なんだから使ってやらないと!
いやいや、上で申し上げた通り、貯金は不確実性が高まる世の中なら効果絶大ですよ。
明日会社クビになったり居心地悪くなったりしたらどうするのですか?
会社が居心地悪くて鬱になって、その期間の機会損失の方がはるかにヤバイと思います。
・むしろ若いうちから貯金なんかしない方がいいよ!
確かに、
若いうちにはお金で時間を買って経験を積め!
という手段は成功者の常套句に聞こえます。
とはいえ、本に並ぶ成功者語りはとっても偏っているし、何より失敗したらどうするんですか?昔と今はだいぶ違いませんか?
という文句が出てしまいますね。。
・お金は自己投資に使おうぜ!
これもよく聞く言葉ですが、
「何が自分にとっての自己投資か?」が分からないんですよね。
しかも人間はアップデートする生き物ですので、自分のやりたいことなんて変化するのが当たり前です。
しかも、自己投資が必ずしもお金をかけなければならないわけじゃないので私は否定派です。
という風に、多分そう言った「貯金ディスり」をしてる人は
経営者が貯金をディスって、購買意欲を掻き立たせてるだけ
だと思います。
豊かな社会において、いちばん有効な買わせる方法は「不安を煽る」ことですからね。
正直、お金を使わなくったって
ありがたいことに図書館にいけば大量に読書できるし
ありがたいことに無料サイトでHP制作とかできるし
ありがたいことにKindleや有料noteで商品を作ることもできるし
っていうリスクほぼ0の道があるんですよね。いやほんとこれはありがたい。
とはいえ、あくまで私のお金に対する価値観の話ですので全然参考にしなくていい話です笑。
お金を使って経済を回すことこそ、健全な社会のあり方ですから。
ただ、「行き過ぎた金の使い方」は色々ヤバイからある程度「貯金」しとこうぜ!という主張をしたかっただけですので!