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よい授業づくりといじめ・不登校の重要な関係
学校には多くの課題や問題があります
それらのほとんどの問題を解決できる
魔法のような手段は、、、あります
それは
「よい授業づくり」です
よい授業づくりによって、子どもたちの関係は良くなり、
子どもたちが生き生きと学習に臨むようになるのです
そんな授業ができれば、どうですか?
みんなが楽しく生活できるようになるでしょう?
例えば、子どもたちの関係が良くなく、トラブルが続いている
子どもたちが落ち付かず、集中できない様子などが見られる
こんな課題がある場合、、、
今回は、よい授業づくりと子どもの生活について述べていきます
授業の質と子どもの居場所
学校に行っても自分の居場所がない(感じられない)状態では、
子どもはスタート時点から不安です
きちんとした指定席があれば、子どもは安心して学校に行くことができます
これは、自分の机といす、席があると言うことではありません
学級の環境の中に自分という存在が存在しうるということです
そのために必要なのが、「よい授業づくり」です
よい授業では、子ども一人ひとりが、
授業の中で存在しなければいけないのです
一人でも授業の中で存在しない状態であれば、よい授業とは言えません
「ほとんどの子どもは授業に参加しているが、数名は参加していない」
このような状態です
以下のような状態
・子どもにとっての学びがない
・みんなと一緒にいるが孤立している
・周りと交わることなく、その場にいる
・活躍の場面もなく、他の子どもの学習活動が中心である
子どもが授業に入っている状態であれば、
このような取りこぼしは起きません
一見して素晴らしい授業に見えますが、
数人の子どもたちしか意見を言っていない、
数人の子どもたちの活動によって授業が進んでいく
こんな授業はたくさんあります
先生もすべての子どもに対して意識をしていません
これではよい授業、
すべての子どもに居場所のある授業でありません
子どもたちは家を出て学校に向かいます
授業には、自分の活躍の場が必ずあります
そんな子どもがワクワクするような授業にしたいですね
授業では、子どもの居場所をつくる、
当然「質」も向上しますよね
よい授業の絶対条件
「みんなが参加している」
ことです
授業を見ることがあれば、全員参加の授業かどうかに注目してください
このことが意識されているかどうかで、先生の考えも分かり、
よい授業かどうか、よい授業をしようと努力しているかどうかが分かります
先生の独りよがりの授業ではいけないのです
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子どもが生き生きと学習できる授業づくり
昔の授業のように、先生が前に立って話す、「講義型の授業」では
子どもが活発に活動する授業になりません
講義型の授業は、授業を受ける者に知識を伝達することに、
効率と効果がある授業形態として
明治時代に学制が公布されて以来、
授業の基本として行われてきました
多くの子どもたちに知識を伝達することに効果があった講義型ですが、
次第に多様な子どもたちが、
講義型の授業になじめない状態が生まれたことや、
講義型では知識は伝えられるが考える力や話す力が付かないこと、
いわゆるOECDのPISA調査での読解力の低下が問題とされるようになってきました
しかし、詰め込み式教育の反省から生まれた
「ゆとり教育」のなかで、
子どもたち自身が「学び合う授業づくり」
が実践されるようになっていましたが、
教師の力量が今までの講義型の授業から抜け出せず
子どもたちが「学び合う」授業を行うことができない
という実態がありました
教師が子どもたち自身が自ら考え学習をつくっていく、
子ども主体の授業づくりが苦手だったのです
詰め込み式の学習が批判され、
もっと豊かな学びを行う学習に方向転換されてきたのが、
2000年代です
その後、学力低下問題に端を発して
学力競争が全国自治体レベルで過熱していくことになります
都道府県においての序列が発表されたり、学校レベルでは、
各校の学力の程度を発表したりと、
県や自治体の教育委員会も学力問題に躍起になっていきます
PISA調査は、各国の子どもたちの知識を問う調査ではなく
考える力を問う調査です
授業づくりは、子どもたちが話し合って学習内容を深めていく、
思考力をつけること、考えたり話し合ったり聞いたりする授業に
変化していくことになりました
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講義型ではない、アクティブラーニングとは、どんな学習の形?
アクティブラーニングは、子どもたちの自主的・主体的な学びです
現在では、学習指導要領から「アクティブラーニング」との用語は、
定義が分かりづらいということから削除されています
指導者がどんな学習をすれば良いのか、
学習方法をしっかり理解できていれば迷うことはありません
このことからも、講義型の授業から簡単の抜け出せない学校や教師がいることがうかがえます
アクティブラーニングとは、学習者(子ども)が能動的に参加する授業や学習の総称です
直訳すると「能動的な学習」という意味です
【目的】
・主体性や対話生を重視した自ら学ぶ力を育てる
・課題を発見し、解決する力を身につけさせる
・認知的、倫理的、社会的能力、教養、知識、経験などの汎用的能力を育成する
【効果】
・主体性や学習意欲が向上する
・理解度が高まる
・思考力や表現力が向上する
【背景】
・情報化社会の進展や社会の行動変化などにより、
従来の教育では変化の厳しい時代に適用できないと考えられるようになったこと
講義型の学習では、先生の話ややり方などの説明を聞き、
子どもがその通り表現できるかどうかに掛かってきます
テストでも、知識の量を問う形であり、
正しく知識を身につけているかどうかを見るものです
自ら考え表現する「思考力・表現力」は、
これでは身に付いていきません
自分で様々な考えを巡らせ、
課題をどのように解決していけば良いのか、
自分の考えを周りに説明し、理解してもらうまで話す
相手には個性があり、、
説明してもすぐに理解してくれるとは限りません
また、自分が分かったつもりでも、
相手に話してみると自分が分かっていないことにも気がつきます
話していく中(説明)で、「ああ自分はこのように考えていたのか」と、
さらに理解を深めることもあります
子どもたちが考え、説明し合う中で生まれていく学力、
思考し表現することで、今まで先生に教えてもらうだけでは
身につけることができなかった深い学力を
探求していくことが可能になっていきます
では、どんな授業がイメージできるのでしょうか
先生はどんな授業をつくっていけば良いのでしょうか
どんな授業になると、子どもたちの思考力・表現力を耕していけるのでしょうか
でも、あなたは、学級の子どもたちには、
それぞれに学力(その時の)、理解力の違いがあり、難しいだろうと思うでしょう?
しかし、そうではありません
子どもたち一人ひとり、個別に考えてみてください
一人ひとりの能力をアップさせていくのです
スタートラインはそれぞれの子どもにあり、
自分のスタートラインからスタートするのです
そして、考える力や表現力(話す書く)をつけていく
今までのように先生から教わるだけでは、知識をつける、
計算ができるという技術に偏ってしまいます
課題を発見し考えることによって考える力を磨き、
話すことによって思考力と伝える力を磨いていくのです
こう考えると、みんなの力が伸びていきそうでしょう?
どうですか?
先生は子どもたちを信じることができるかどうかがカギになります
子どもたちを信じて、学習課題を用意し、学習計画を立てるのです
最初からうまくはいきません
粘り強く算数の解き方を教えるのではなく、考え方や話し合い方を教えていきます
子どもは必ず上達していきます
うれしいですよ、子どもたちが子どもたち同士の力で話し合って答えを出していく
最初は、ペアでもグループでもいいでしょう
最終的に、学級全体で学習を進めていきます
いわゆる「お客さん」は、なくなっていきます
どうでしょうか?
くり返します、
子どもみんなの力が伸びていきそうでしょう?
学力は上がっていきますよ!
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学力とは
その名の通り「学ぶ力」です
自分で学ぶことができることなんです
だれからも強制されて行うものではありません
そして、課題は何かを発見して、どうやって解決していくか、
自分で必要なことを調べて、
学んでいく方法を身につけることが、
「学力」でしょう?
子どもたち一人ひとりに、この「学ぶ力」をつけていくのです
これは授業の中でやることです
そして、もうひとつ大切だなと思うことは、
「~の学力」は、違うということを知ることです
私は、教師を長くやってきました
だから、「教師としての学力」はあります
しかし、「作物に適した土をつくり、種植えや田植え、肥料の撒布、雑草の除去、収穫や出荷」
これらは農業の仕事の一例ですが、私は一切できません
私には「農業の学力」がないのです
このことは、様々な場面で言えますよね?
学力とはそういうものだと思います
子どもたちは、将来に備えて「学ぶ力」をつけているのです
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学校生活のほとんどは、授業時間
学校は小学校であれば、授業時間45分を最大6コマ毎日行います
あとの時間は、休み時間を授業の間に約10分、
これもトイレや体育での着替えなど、授業の準備にかかってしまいます
宿題等の直しがあれば、休み時間しかありません
お昼休みも、給食があり一定の時間が必要です
給食の当番活動、掃除、読書または計算等の時間、そして帰校です
子どもたちが学校の時間で一番多く過ごすのは、「授業」です
授業が楽しくない、苦痛であったら、これ、
学校に行くのが苦になってしまいますよね
「授業が楽しい」のは重要なことです
最も重要であると言ってもいいと思います
「休み時間より授業が好きだよ」って子どもたちが言ったら、
どうでしょう?
最高でしょう?
そうでなくては学校じゃない!
授業じゃない!
のです
楽しい授業、
どの子も自分の力を高めて「学ぶ力」をつけていく授業、
「こんな授業をやらなあかんよね!」
子どもたちみんなが楽しい授業を、子どもたち同士の関わりをつくって取り組んでいくと、
子どもたちの関係もよくなっていきます
どうですか?
職場も楽しくなければ、仕事もはかどらないしつまらない、朝、足も重たいでしょう?
子どもも同じです
授業が楽しくて、みんなで話し合って進んでいく
子どもは成長し、仲良く楽しく、、、
授業がこうなっていけば、いじめ問題なんて起きにくくなるでしょう
職場でもいじめはありませんよね、楽しい笑顔のある職場では!
不登校の課題にも良い影響があることは言うまでもありません
授業がすべての課題を解決してくれると、私は思っています
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まとめ
このコラムのテーマは「よい授業づくりといじめ・不登校の重要な関係」です
授業をつくることで、
子どもたちの姿が変わっていくことを分かってくれましたか?
学級の様子が和んでいきますよ
そうなったらいいですよね
この授業は、どんな授業であるかなど、子どもたちにしっかり教えていきます
今まで講義型で、黒板の方を向き、手を挙げて発表する
このような授業になれている子どもたち、
忘れてはならないのは、先生たちも講義型の授業を受けてきた子どもたちだったことです
だから、先生にとっても初めての授業形態をつくることは難しいのです
そこにハードルがありました
「先生が課題を出し、先生が手を挙げた子どもを指名し、先生がやり方を説明し、答えを出す」
これでは、すべての子どもたちにとって、理解できない授業、
自分は特に参加しないでも進んでいく授業になってしまいます
授業のやり方を教えていきます
子どもは覚えるのは早いです
話を聞いているだけで進んでいく授業ではないので、
友達に説明したり、説明を聞いたりしながら、
集中しないと進みません
休んでいるヒマはないのです
「今日の算数は、このページをしたいんだよ、
みんなで解決してくれる?」
などと言いながら、でも、ほったらかしでは上達していきません
主体性、「主役はあなたたちだよ」っと言いながら、アドバイスをしていきます
先生の腕の見せどころですよね
子どもたちの関係をつくり、主体的に学び、思考力・判断力・表現力を高め、
「真の学力」を子どもが身につけていく、
そんな授業が毎日行われる学級では、学級づくり、授業づくりを通して、
子どもが生き生きとした笑顔あふれる学級です
子どもが幸せな学級です
そんな授業で、
子どもたちを幸せにしたいですよね
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