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人の感じ方が違うのはなぜ?脳科学と心理学で考える

こんにちは、メンタルウェルネスあおぞらです。

今日は、最近の興味深い研究結果と、それをメンタルヘルスにどのように活かすことができるかについてお話ししたいと思います。

動作中の感覚についての研究

国立精神・神経医療研究センター(NCNP)の研究で、動いている時に手や足で感じる感覚が弱くなる現象の仕組みが解明されました。この現象は「感覚ゲーティング」と呼ばれます。

感覚ゲーティングとは?

例えば、コーヒーカップを持って口に運ぶ時、手に感じる感覚はわかりますが、動いている間に腕に触れるシャツの感覚はあまり意識しませんよね?でも、シャツが何かに引っかかった時はすぐに気づきます。このように、動いている時に感覚が弱くなる現象が感覚ゲーティングです。

研究チームはサルを使って実験を行いました。サルが手を動かしている時の脳の活動を特別な方法で記録し、動いている間に手の感覚がどのように変わるかを調べました。その結果、サルが自分で手を動かしている時、脳の特定の部分で感覚信号が弱くなることがわかりました。これにより、脳が自分の動きと他人の動きを区別するために感覚信号を調整していることが示されました。

メンタルヘルスへの応用

この脳の仕組みは、メンタルヘルスにも大いに関連しています。私たちは、さまざまな刺激情報の中からほぼ自動的に情報を取捨選択しますが、興味を持っている情報を取り入れ、不要と判断した情報を遮断します。うつ病などのメンタル不調の時は、自ら常にネガティブ情報を収集してしまうことがあります。

それではなぜそのようにしてしまうのでしょうか?それは、ネガティブな情報は自分の身を守るためだからです。常に危険なものが潜んでいないかを見渡し、その情報をできるだけ見逃さないようにします。たとえそれがネガティブな情報でなかったとしても、自分に危害を加えるかもしれないと想像してしまうのです。

うつ病などのメンタル疾患になると、この傾向が顕著になります。過剰にネガティブ情報にアクセスし、想像し、自分を追い込んでしまうのです。

認知行動療法やマインドフルネスの活用

私が専門とする認知行動療法(CBT)やマインドフルネス、アクセプタンスコミットメントセラピー(ACT)などは、このネガティブな脳の情報処理過程を柔軟にし、自分の意識のバランスを保つために有効です。さまざまな研究結果がそれを裏付けています。

メンタル不調になった時、しばらく休んだり薬を服用すれば回復します。しかし、根本の脳の情報処理の仕方、言い換えれば自分の考え方のクセを見直すことをしなければ、再びメンタル不調になってしまいます。

カウンセリングの重要性

日本ではカウンセリングはあまり普及していませんが、欧米では日本と比べて普通に利用されています。それは、メンタルの不調が「心が弱い人」がなるものではなく、誰もがなるものであること、そして、カウンセリングを受けることが自分自身を見つめなおし、この考え方のクセや脳の情報処理の仕方を柔軟にするために必要であると認識されているからです。

おわりに

脳科学研究は、私たちの日常生活やメンタルヘルスに大きな影響を与えます。これまで心は目に見えないものとして扱われてきましたが、脳神経科学研究の進歩により、脳活動を可視化できるようになり、心の反応と脳活動がどのようにつながっているのかが分かってきました。

さまざまな心理学と脳神経科学が融合され、メンタルヘルス対策がより科学的に証明され始めています。だからこそ、私は実際の研究に基づいた手法をベースとしたカウンセリングやコーチングを実践しています。

もし、メンタルヘルスについてもっと知りたいことがあれば、ぜひメンタルウェルネスあおぞらにご相談ください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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