見出し画像

ウォーキング課題から学ぶ!スポーツ心理学で見つける最適な目標設定法

ウォーキングにおける目標設定の重要性:アクティブな人と運動不足の人、それぞれに合ったアプローチとは?

目標設定が心理的成果に与える影響とは?

目標設定は、私たちが行動を変えたり、新しい習慣を身につけたりする上で非常に重要な役割を果たします。

特に、身体活動(Physical Activity, PA)を促進するための戦略として、多くの研究で目標設定が推奨されています。

しかし、どのような目標が最も効果的かは、人それぞれの状況や身体活動レベルによって異なります。

本記事では、最新の研究を基に、アクティブな成人と運動不足の成人に適した目標設定方法について詳しく解説します。

さらに、スポーツ心理学の観点から、その効果を検証します✨。

SMARTゴールとは?

まずは、多くの人が耳にしたことがある「SMARTゴール」についておさらいしましょう。SMARTゴールは以下の5つの要素から成り立っています:

  • 具体的 (Specific):明確で具体的な目標を設定する。

  • 測定可能 (Measurable):進捗や達成度を測れる。

  • 達成可能 (Achievable):現実的に達成可能な範囲内である。

  • 現実的 (Realistic):個人の能力や状況に適している。

  • 時間制約 (Timed):期限を設けることで行動を促す。

この方法は、仕事や学業だけでなく、フィットネスや健康促進にも広く活用されています。

しかし、一部の研究では、「SMARTゴールが必ずしもすべての人に適しているわけではない」という指摘もあります。

オープンゴールとDYBゴール

最近注目されている目標設定方法として、「オープンゴール」と「DYB(Do-Your-Best)ゴール」が挙げられます。

  • オープンゴール:具体的な数値目標を設けず、「どれだけできるか試してみる」といった柔軟なアプローチ。特に運動不足の人々には、この方法が楽しさや快楽を引き出しやすいとされています。

  • DYBゴール:自分自身のベストパフォーマンスを基準とし、それに近づく努力を促す方法。SMARTゴールよりも柔軟性が高く、一部では同等以上の効果が示されています。

研究結果から見る適切な目標タイプ

最新の研究では、アクティブな成人と運動不足の成人それぞれに適した目標タイプが異なることが明らかになりました。

アクティブな成人の場合

  • SMARTゴールが最も効果的であり、ポジティブ感情や楽しさ、パフォーマンス向上につながることが確認されています。

  • 具体的な数値目標や期限がモチベーション維持に寄与します。

運動不足の成人の場合

  • オープンゴールが最も効果的であり、快楽や楽しさを感じやすいという結果が得られました。

  • SMARTゴールは逆にプレッシャーとなる可能性があり、運動への意欲を損ねる場合があります。

具体例:ウォーキング課題での比較

研究では、アクティブな成人と運動不足の成人それぞれ18名ずつを対象に、以下4つの条件下でウォーキング課題を実施しました:

  1. SMARTゴール

  2. オープンゴール

  3. DYBゴール

  4. ゴールなし(対照条件)

結果として、

  • アクティブな成人はSMARTゴール条件下で最も長い距離を歩きました。

  • 運動不足の成人はオープンゴール条件下で最も長い距離を歩き、楽しさも感じました。

これらの結果から、個々人の身体活動レベルに応じた柔軟な目標設定が重要であることが示唆されます💡。

スポーツ心理学的分析:エビデンスベースドな視点

この研究結果は、スポーツ心理学で広く支持されている「自己決定理論(Self-Determination Theory, SDT)」とも一致します。

SDTによれば、人々は以下3つの基本的欲求を満たすことでモチベーションが向上するとされています:

  1. 自律性(自分で選択し行動する自由)

  2. 有能感(自分にはできるという感覚)

  3. 関係性(他者とのつながり)

オープンゴールは特に「自律性」を高める効果があります。

一方でSMARTゴールは「有能感」を強化するため、既に運動習慣がある人々には適していると言えます。

このように、それぞれ異なる心理的ニーズを満たす方法として活用できる点が特徴です📚。

さらに、McEwanら(2016)のメタ分析では、「柔軟性のある目標設定」が特定条件下でパフォーマンス向上につながることも報告されています。

この知見は、本研究結果とも密接に関連しています。

まとめと実践への応用

今回紹介した研究結果から得られる教訓は、「一律の目標設定ではなく、個々人に合ったアプローチが必要」ということです。

特に運動不足の方には、自分自身が楽しめる形で始められるオープンゴールがおすすめです。

一方で、既に運動習慣がある方にはSMARTゴールによる具体的な計画立てが有効でしょう🏃‍♂️🏃‍♀️。

笠原彰プロフィール:

https://lit.link/mentalabo
https://lin.ee/9ksbwdg

作新学院大学メンタルトレーニング教授
とちぎスポーツ医科学センター協力心理相談員 https://tis.or.jp/contact/
プロメンタルコーチ
自己肯定感養成プロコーチ
ライフバランスアーティスト
健康運動指導士
メンタルヘルスファーストエイダー
メンタルヘルス運動指導員
1252公認 女子アスリートコンディショニングエキスパート検定2級

アスリート、コーチ、指導者、ビジネスマン、音楽家など、人生をより豊かにしたい全ての方の挑戦をサポートします。
専門的な知識を習得したプロメンタルコーチとメンタルアスリートを養成しています。完全個別指導でプロメンタルコーチとアスリートを養成します。

🌈メンタルトレーニングは、こんな方々におススメです🌈

🌟スポーツ選手
🌟音楽家
🌟ビジネスパーソン
🌟一般の方々
🌟学生

🌈メンタルトレーニングを学ぶことで以下のようなメリットがあります🌈

🌟自己のパフォーマンス向上
🌟ストレスや不安の軽減
🌟自己の心理的な強さの養成
🌟チームビルディング

無料メンタル相談受付中

お問合せ:kasahara@sakushin-u.ac.jp
電話:028‐670‐3755
携帯:080‐1152‐6457

#笠原彰
#スポーツ心理学
#メンタルコーチ
#メンタルトレーナー
#メンタルトレーニング
#ウォーキング
#健康習慣
#自己決定理論
#SMARTゴール
#オープンゴール

いいなと思ったら応援しよう!