5日間、120円のおむすびに懸ける工場長の誇り。博多阪急「匠の明太子」が熱い理由
めんたいこんにちは。福岡めんたいこ地位向上協会の広報、大塚たくまです。
めんたいこを、福岡におけるうどんやラーメンのように、味の違いを楽しく喋れるような食文化の成熟を実現すべく活動しております。
この度、協会公式のnoteのアカウントを開設しました。このアカウントを開設したきっかけはただひとつ。
博多阪急で行われる「匠の明太子」というイベントの魅力をガチで伝えたいから。
この度、博多阪急さんの「匠の明太子」イベントをPRするために、福岡めんたいこ地位向上協会ではYouTube生配信を行いました。
※このPR生配信は、博多阪急さんの「うまちか!」のInstagramのアカウントでも生配信されました。
私たちはこのPRを通じて、改めて「匠の明太子」というイベントの物凄さと、このイベントが果たしている意義を再確認したのです。
そこで、このnoteでは博多阪急「匠の明太子」というイベントがいかにとんでもないのか、ということをご紹介します。
博多阪急「匠の明太子」とは?
「匠の明太子」は、年に2回、博多阪急の地階食料品売場「うまちか!」で開催される、明太子の祭典です。博多阪急には数多くのメーカーの明太子を取り扱っていますが、各メーカーの工場長がそのイベント限定で商品を販売するという他に類を見ないイベントです。
イベントでは工場長渾身の、イベントでしか発売されない、イベントのために開発された超個性的な商品が多数あり、そのクオリティは圧巻。独創的で明太子の可能性をさらに広げてくれるような商品が多数登場するのです。
明太子の最先端は「匠の明太子」にあるといっても、過言ではありません。
各メーカーが、いかに真剣に明太子と向き合っているかを感じられる、まさに「職人の凄さ」を実感できるイベントです。だからこそ、福岡めんたいこ地位向上協会も気合を入れて、PR活動支援を行っています。
テーマは「おむすび」。 狂気の価格"120円"
前回の「匠の明太子」はハロウィンの季節に開催され、「ハロウィン de めんたい」と称し、ハロウィンに関連するメニューが多数登場。「かぼちゃめんたいアヒージョ」(福さ屋)や、「工場長の指?! 炙りめんたい」(福太郎)などの名作が生まれました。
「匠の明太子」は今回で第16回。2022年3月2日(水)〜3月6日(日)の5日間開催されます。
今回のテーマは「おむすび」。おむすびと言っても、単におむすびの中に各社の明太子を投入するわけではありません。
各めんたいこメーカーが、おむすびの具材として使える明太子商品を新たに提案&開発しているのです。イベントではおむすびと具材商品そのものが販売されます。
このテーマが決定したのは、なんと昨年の12月15日。その時期の明太子業界はお歳暮の時期であり、大繁忙期なのです。(めん地協もその時期は個別取材を控えています)
さらに、1月は12月の繁忙期に売れた分の在庫補充に取り掛かる期間のため、さらにスケジュールがタイトになります。そんな時期に「おむすびの具材を考えて!めんたいこそのままじゃだめよ〜!」と指示を出す、博多阪急さんはなかなか鬼。
「めんたいこでいいやろ!なんでさらに考えないかんと?!」
メーカーさんからはそんな声で溢れかえるかと思いきや、各工場長はみんな前のめり。急ピッチで開発が進められた結果、魅力的なめんたいおむすびが8種類誕生したのです。
めんたいこメーカーが開発した具材をおむすびにしたのは、中洲で有名なおむすび専門店「中洲おむすび村」です。
糸島のお米に、有明産の海苔。手作業でにぎったおむすびはもっちり、ふんわり。具材によって、塩加減を適宜変えるこだわりよう。一流のおむすびです。
めんたいの「匠」とおむすびの「匠」の夢の共演。
……にもかかわらず、おむすび1個の価格は、まさかの120円(税込)均一。
最初、誤植じゃないかと思いました。320円の間違いかと思いました。何度も確認しました。本当に120円(税込)とのこと。
ちなみに九州のセブンイレブンで販売している明太子のおにぎりは税込で151円だそうです。
コンビニより安い、こだわりのおにぎり。正気の沙汰ではありません。
「匠の明太子」はもう単なるめんたいこのキャンペーンではない。めんたいこの可能性を知ってもらうための、工場長の誇りをかけた闘いなのです。
この記事では、2022年3月2日(水)〜3月6日(日)に博多阪急の地階食料品売場「うまちか!」で開催される「匠の明太子」に参加する各社が、どんな商品を準備しているのか紹介します。
うまか 「さくら明太チューブ」
「博多辛子明太子うまか」は、博多阪急とやまやのブランドです。今回から沖本工場長にチェンジ。春を意識して、明太子に桜の塩漬けを加えた爽やかな「さくら明太チューブ」で、「匠の明太子」に挑みます。
さくら風味のめんたいこは、めん地協の私たちも初めて。実際に食べてみると、桜の塩漬けの華やかな香りと「うまか」の明太子の見事なマッチングにびっくり。
もうとにかく上品で。もうこれ、懐石料理コースの〆でも通用するやつですよ。「春ですので、さくら風味のめんたいでございます」とか言って。めちゃくちゃ品がある。
辛さはあまりなく、うまみと華やかな香りが豊かです。これほどの具材がチューブで気軽に使えるなんて、とんでもない商品です。
桜もちを思い出すような、懐かしい感じもします。たぐめん理事長は「おばあちゃんの桜ごはんを思い出す」と語っていました。
今回の「匠の明太子」限定の商品ですので、この機会にぜひ!!
やまや 「うめ明太チューブ」
おなじみの「やまや」です。工場長は、今回から鬼木工場長にバトンタッチ。梅×明太子の旨味がたっぷりで、白米がすすむ味わいです。こちらもおむすびに使いやすいチューブに入っています。
じつは、私大塚は梅があまり得意ではなく、この「うめ明太チューブ」はちょっぴり心配でした。しかし、食べてみるとどうでしょう。これはめちゃくや美味い。
おむすびの中には、かなり贅沢に「うめ明太チューブ」が入っています。
おむすびをかじった瞬間に、うめが弾けて飛び出てくるような印象。口に入れた瞬間に、梅の甘い香りが抜けていきます。
梅とめんたいの甘じょっぱい感じがクセになります。これは美味しい。こんな凝った商品がチューブになっているなんて……。この商品も「匠の明太子」限定ですので、要チェックです。
福さ屋 「いかなごめんたい」
福岡では「ピシャッとついとう」のCMでおなじみの福さ屋です。
今回、福さ屋は「匠の明太子」のために「いかなごめんたい」を開発。松尾工場長の故郷、兵庫県の名物「いかなごのくぎ煮」をめんたいこと合わせました。
いかなごは、福岡ではあまり馴染みがありませんが、春に関西圏で獲れる小魚です。
かなり斬新な組み合わせに見えますが、松尾工場長は「おむすび」というテーマを聞き、たったの1分で決断。開発では、甘いいかなごの強さとしょっぱい明太子のバランスに苦労したそうです。
食べてみると、すぐにいかなごのよい香りが。想像以上にいかなごの香りがしますが、福さやのめんたいこのうまみもしっかり感じます。
松尾工場長が1分で決断したというのも納得。ぼくはいかなごを初めて食べているにもかかわらず、なんだか懐かしい気がします。
匠の思い出×明太子。甘じょっぱいクセになる味わいです。
おひつのようなパッケージで、まるで定番商品のような佇まいですが、こちらも「匠の明太子」限定商品です。ぜひとも、このチャンスをお見逃しなく。
博多あごおとし 「炙り明太マヨネーズ」
「博多あごおとし」からは「炙り明太マヨネーズ」。「マヨネーズ」と聞き、チューブ状の商品を想像しましたが、現れたのは炙っためんたいこをマヨネーズと絡めたものでした。
「炙り明太マヨネーズ」というよりは、「マヨネーズ味の炙り明太」。おむすびの具材として使いやすい、一口サイズにカットされています。
こんなに美味しい炙りめんたいこに、マヨネーズを和えるだなんて……。常人の発想では不可能です。博多あごおとし・由利工場長のこだわりを感じます。
マヨネーズ味で「子ども向けかな?」と思うのですが、後味はしっかり辛い。おむすびにすると、めんたいこの塊がそのまま入っているので、かなりの満足感があります。
炙ったことによってうまみが増しており、マヨネーズに負けていません。絶妙なバランスです。
この傑作めんたいこも「匠の明太子」限定商品です。ぜひチェックを!!
福太郎 「高菜巻きめんたい」
めんべいでおなじみの「福太郎」からは、「高菜巻きめんたい」が登場。100g 864円(税込)の価格で販売されます。
「匠の明太子」熊本コラボ回で大人気を博した「高菜巻きめんたい」を復活させました。阿蘇高菜の漬物をめんたいこに巻いた商品です。
福太郎・樋口工場長が高菜約100枚を懇切丁寧に伸ばしています。樋口工場長の手仕事に思いを馳せながらいただきましょう。
阿蘇高菜は葉っぱが小さく、茎を楽しむのが特徴。おむすびの中には、肉厚な高菜がギュギュッと詰まっており、ザクザクとした食感を楽しめます。
福太郎らしいお酒の香りに特徴がある明太子と、高菜の相性がよい、九州らしい商品です。こちらも「匠の明太子」限定商品なので、要チェックです!
島本 「鮭明太マヨネーズ」
知る人ぞ知るめんたいこメーカー「島本」からは、人気商品である「鮭明太」と「明太マヨ」を混ぜ合わせた「鮭明太マヨネーズ」を開発。アクセントにレモン果汁を加えてさっぱりとした味つけとなっています。
「うまいもんとうまいもんを合わせれば、めっちゃうまい」という思考でつくられたであろうこの商品には、親近感を覚えざるを得ません。
鮭が羅臼の秋鮭を使用しており、脂の乗り具合が絶妙です。明太子と鮭のダブル国産であり、通常商品と違いボイルではなく生の鮭を使っていることも今回の特徴です。
和えるマヨネーズが多すぎるとべちゃべちゃになってしまうため、そこ気をつけながらつくられているそうです。味のバランスは抜群。ここは古賀工場長、匠の技です。
ごはん以外にも、しいたけやピーマンなど野菜に詰めて焼いたり、トーストやサンドイッチの具材にしたりしても合うのだとか。試してみたいですね。
この商品も「匠の明太子」限定ですので、お見逃しなく。
原口海産物専門店 「青唐辛子明太子」
原口海産物専門店からは、定番商品のひとつである「青唐辛子明太子」が登場。赤い唐辛子が常識の明太子の中で、青唐辛子を使用している明太子というのは、個性的です。
糸島産の青唐辛子を昆布出汁の効いた国産の明太子と和え、爽やかなパンチのある辛さが特徴です。唐辛子選びにはこだわっており、糸島の農家さんのもとに出向いて、青唐辛子を選びました。
食べてみると、普通の明太子では感じない青唐辛子の爽やかな香りが。フレッシュでシャープな辛さが、めんたいこのうまみをより引き立てているような気がします。
すっきりした味わいですが、後味には唐辛子の辛さがしっかりと残ります。大人好みの味わいです。
博多料亭稚加榮 「明太海苔(生海苔佃煮)」
めんたいこが有名な老舗料亭「稚加榮」からは、定番商品である「明太海苔」が登場。
有明海産の甘みのある生海苔に、稚加榮のめんたいこの粒をたっぷりと加えました。
もともと明治屋ストアから、商品である海苔の佃煮に稚加榮の明太子を入れたいということで企画された商品です。醤油はジョーキュウ醤油、海苔は浜武水産が関わっています。
明太海苔もおむすび村の海苔も有明海産。ダブル有明海産海苔で、海苔のおいしさを最大限に感じられるおむすびに仕上がりました。
めんたいこのうまみはアクセントという程度で、主役は海苔です。おむすびのお供には間違いない、みんな大好きな味わいです。
おむすび以外にも、チャーハン、すまし汁にも合うそうで。ぜひ試してみたいですね。
3月2日〜6日は博多阪急「匠の明太子」に集合
実際に今回のおむすびを食べてみて、どこからかじっても一口めで具材が出てくるくらい具材が多いのが特徴でした。なんなら、かじる前からご飯の隙間から具材はちょっと見えてます。これで120円均一というのは、やはりクレイジーです。
おむすびを全種類買っても960円なのです。ぜひともはしごして、めんたいおむすびの食べ比べを楽しんでいただきたいと思います。
おむすびを食べるとわかります。めんたいこ職人さんたちが、どれだけめんたいこを愛していて、「匠の明太子」というイベントをどれくらい大切にしているのかが。
このイベントを「チャンス」ととらえて、「めんたいこのちょっといいとこを見せてやろうじゃないか」っていう、気概を感じます。
だからこそ、私たちはこのイベントの魅力を伝えたいのです。どうか、3月2日から6日までの間に、博多阪急の地下にある食品売場に行ってみていただけないでしょうか。そして、めんたいこと触れてみていただけないでしょうか。
きっとあなたが想像しているより、めんたいこの世界は広くて深い。そして、楽しい。その世界を各メーカーが、一生懸命、真剣に、熱く表現してくれています。ぜひとも食べて、感じてみてください!
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