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本田秀夫『学校の中の発達障害』を読んで
子どもが小学生になり凸凹がはっきりしてきて、私も勉強しなければと思い、本を読み始めているところなので、これから読書感想文も投稿していこうと思います。
本田秀夫『学校の中の発達障害ー「多数派」「標準」「友達」に合わせられない子どもたちー』。
この本は、小学生〜中学生のお子さんをお持ちの保護者は、子どもが発達障害であるかないかに関わらず必読書レベルの本だと思いました。不寛容な社会が何かと話題になる昨今、寛容さとはどういうことなのかのヒントや回答がいっぱい詰まってます。また、子どもの成長の進度や性格(特性)はそれぞれであるという当たり前のことにも気付かされるので、本を読むことで気が楽になる方も多いのではとないかと思いました。学校関係者はもちろんですが、本当にできるだけたくさんに人に読んでほしいと思った本です。
本の概要
発達障害の子どもにとって、学校という場所はどういうところなのか、どんなことが起こり、どういう対応ができるのかが書かれています。
学校に関わる困りごとに対して明快に「こう対応するのががよい」ということが記されています。その内容は理想論と言われるかもしれないし、現場の教師にはそんなことやってられないと思われるかもしれないけど、私はこの本に書かれている理想を目指して向き合っていきたいと思いました。
「はじめに」の章で「 」内を埋めるよう5つの問題が出されています。
本を通して5つ問題についての本田先生の考えが綴られていて、それは学校でつらい思いをする子どもを一人でも減らしたいという思いから導かれている回答でした。
Q1 学校とは「 」場所である
Q2 学力とは「 」である
Q3 教育で大事なのは、子どもの「 」を伸ばすこと
Q4 発達障害の子は「 」から、特別支援教育を利用する
Q5 共生社会とは、「 」な人たちがお互いにリスペクトする社会
学校教育とはなにかの本質をとらえている
発達障害の子にとっての学校についての本ではありますが、上記のQ4以外の問題はすべての子ども達にもあてはまるものであると思います。そもそも学校教育ってどういうものなのかという点に立ち返り、そこからみえる学校の課題もあげられていていました。公立学校で一般的に行われている一斉授業の限界やデメリットは、先生を始めとする学校関係者の方も感じられているのではないでしょうか。
特に「『学校の標準』が狭すぎるのではないか?」という章で書かれていたことは、自分が悩んでいたことへの回答を得たような気持ちになりました。狭い「標準」のために学校生活の中で窮屈さを感じた人は私だけどはないはずです。
学習障害の子の学習
その子が持っている学習障害の特性にあったサポートをすることが重要とのことで、特別支援教育についても早めに取り組むことを勧められています。また、「一般的な学び方、特に紙と鉛筆を使ったやり方を強要しないことが大切」(P.180)とのことで、我が子をみていても、宿題のプリントに向き合うより、スマイルゼミのタブレット学習に取り組む方が圧倒的に心理的ハードルが低いことを感じています。
さらには、学校でのタブレット機器の使用に対して周りから「ずるい」と言われた場合のことも書かれていました。本全体を通して、具体的な対策まで落とし込まれているので、読み進めるにつれて私自身がどんどん安心していくのを感じました。
身内に話してみた
本を読んでいたのがちょうど帰省していたタイミングだったので、私の妹と甥っ子に、「『学校の標準』が狭すぎる」要因の一つのローカルルールの厳しさについて話してみました。結果、私のプレゼンが下手だったのもありますが、あまり共感を得られませんでした。
なんかルールを守ってきた人(ルールを守れた人)にとって「そのルールなくてもいいよね」ということはその人への否定に聞こえるのかもしれないですね。そこにあるルールに疑問を持たずに守れちゃう人にとって、「そのルールがあることによって苦しむ人もいるからなくしちゃおう」ということを理解することさえも少し難しいことなのかもしれないと壁を感じました。
自分の身内ながら、不寛容な社会ってこういうことなんじゃないかと思ってしまいましたし、「ローカルルール」を疑問を持たずに守れるってそれはそれで闇があるよなと思いました。まぁ私も、もうちょっと理解してもらえるようなプレゼンをがんばりたいところではあります。
まとめ
発達障害の子を持つ保護者にとってはバイブル的な本になるかと思います。私も、ここまで発達障害について深い理解がある方(専門家なので理解とい範疇を超えていますが…)がまず存在するということ、そしてそのことが書かれた本が存在しているということに希望が持てました。発達障害の人は少数派であるゆえに日常的にモヤモヤすることは多いと思いますが、全方位固められた理解と対策が書かれている本を小脇に抱えて、日々子どもに向き合っていきたいと思いました。