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『コンビニ人間』を読んで考えたこと

こんばんは、ぱんと申します。

今回は村田 沙耶香さんの『コンビニ人間』を読んで考えたことなどを書いていきます。こちらは、第155回芥川賞を受賞したということで有名な作品です。

コンビニ人間

*ネタバレになるかもしれないので、今後この作品を読む予定のある方は閲覧にご注意ください。

冒頭、主人公の古倉恵子が店員として働く場面で、コンビニ店員をやってみないと分からない用語の数々が現れて驚きました。これ絶対著者コンビニバイト経験者でしょ……と思ったら、やっぱりバイトしてたらしいです(Wikipediaより)。

作中、恵子は何回か、人は喋り方や服装が周りの人に似てくると言います。そこに関しては、特に服装の方に疑問が残ります。私がこだわりの強いタイプだからかもしれませんが、友人と着ている服の系統が似ていることはあっても、それぞれの違いはきちんと認識しており、自分の好みが友人によって変わることは考えにくい気がするのです。
私とはだいぶ異なる服装をしている人たちと同じ集団にいたこともありますが、私の服装はほとんど変わらなかったし。

主人公の恵子は人の痛みをあまり理解できない人間であり、そのことで学生時代は周りに溶け込めずにいたことがあります。基本的に何事に関してもこだわりがないため、大人になってからはなるべく社会に溶け込んで平和な生活を守ろうとします。他のコンビニ店員から見れば、彼女は至って平凡な女性でしょう。
でも、30代女性が一般的にどういう服を着ているものなのか分からず同年代のバイトの女性の服のタグをこっそり見て真似をする、といった、ある意味気持ちが悪いような一面もしっかり描かれていて、妙なリアルさを感じました。

最後、恵子は自分が「コンビニ店員という動物である」ということを自覚します。ここで人間ではなく動物という表現を使い、コンビニ店員として働くことがもはや自分の本能であると確信するのがまたすごいというか、そこまで言い切れる職を持てたことが羨ましいなとさえ思いました。今自分が就活で悩んでいるからなんですかね……笑
恵子がアルバイトではなく普通に会社の社員として働こう、と履歴書を出したりする場面では、経歴がないためにほぼ面接にすら呼ばれないところに、現代の中途採用の厳しさを感じてしまいました。

本を読むときに考えることは人によって全然異なると思うんですが、今回は大分自分なりの切り口で読んでいた気がします。
ビジネス書だけじゃなくて、小説ももっと読んでいきたいですね!

最後まで読んでいただきありがとうございます。またどうぞ。

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