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welcome,いたずら!!

こんにちは!

もうすぐ育休の終わりを迎えるパパセラです!

こうしてnoteが自由に更新できる日も残り少なくなってきた。この育休中にいろんなことをinputでき、また子供からも色んな事を気づかせてもらえた。おそらく、最初で最後の育休になるだろう。残り数日、何か子供達と一緒に思い出を作ろうと思う。

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さて、今日は『いたずら』についてのお話。

最近、子供のいたずらの重要性を各メディアでよく目にする。我が子のいたずらは、ときに微笑ましく、ときに煩わしく、なんとも言えない行動だ。しかし、親が忙しい時のいたずらほど、イライラし腹立たしいものはない。

なぜそんなにいたずらが大事なのか。

そして、

いたずらを止めてしまうといけないのか。

といった事を今日は書いていきたい。

〈遊びの中の頭の中〉

子供は遊ぶのが仕事

という様に、子供にとって遊びは切っても切り離せない行為だ。親の目線から見た遊びは、ただ無造作に行っている行為かもしれない。とりわけ『いたずら』なんてもってのほか。無秩序(カオス)でしかない。ではなぜ、子供は『いたずら』という親を困らせる行為に及んでしまうのか。心理学的にはアドラー心理学の目的論などが参考になるが、自我形成が不十分な幼児にとっては目的論だけでは解決できないかもしれない、というのが個人的な意見だ。

そこで今回は、行動における脳機能を参考にしてみたい。

子供がある行為に及ぶ際、その行為の結果を脳内に記憶している。身体の動きや物の性質など様々な出来事が記憶される。その記憶は時系列に分けられ、過去・現在・未来といった様に分類され、機能する脳の領域も異なってくるのだ。未来の記憶と言うと分かりにくが、要する『行為のための予測』といったところか。それぞれの領域は図の様になっている。

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これを基に子供のいたずらについて考えてみる。子供のいたずらは、

指で障子に穴を開ける
ティッシュを全部引き出している
家具のネジを片っ端から緩めていく
新聞をビリビリ破いている
お菓子を撒き散らす
ETC.

などだろうか。SNSを見ているともっと強烈ないたずらもあるだろう。このとき、幼児達は、わざといたずらをしているかもしれないが、実は身体を動かすことでどういった結果になるのかを確認しているのかもしれない。子供は全てにおいて大人より経験が少ない。だから、今の行為がどういった結果を生むなんて知り得ないのだ。だから、いたずらをする事で現在・過去の記憶といったデータベースを蓄積している途中なのだ。その際に頭頂葉や海馬といった領域が活動する。だから、子供の行為に最初から秩序はなく、無秩序であって当然なのだ。

ちなみに頭頂葉(その中でも下頭頂小葉)では、身体に加わる様々な感覚(触ったり、見たり、聞いたり、匂いだり)を統合する部分でもある。だから、いたずらで感じる様々な感覚はこう行ったら部分にデータベースとして蓄えられる。

すなわち、

いろんな行為(いたずら等)によってデータベースが増える

と言う事だ。

〈データベースから未来を予測〉

いたずらによってデータベースが増えた後はどうなるのか。子供の行動を見てみるとよくわかる。はじめはバラバラに散らかすだけであったものが徐々に秩序立ってくるのだ。

ミニカーはミニカー同士で走らせる
恐竜フィギィアは恐竜フィギィア同士で戦わせる
人形は人形同士で遊ばせる

遊びの中ではこんなところであろう。

先日、長男⭐️が静かに飴ちゃん袋を展開してこんな風に並べていた。

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飴ちゃんで見事な秩序を形成していた。

この様に、少しづつ子供の中でも秩序が形成されていく。それを蓄える部分が前頭葉であり、未来の予測や行為の計画を行う部分でもある。当然、より難しい問題を解決する際にもこの前頭葉の機能が必要になる。そして、未来の予測を行うためには、過去の情報が必要になる。子供の前頭葉を働かせるためにはより多くのデータベースが必要になるだろう。まさしく、いたずらは未来の自立のための準備なのだ。

〈前頭葉の機能がないとどうなる〉

逆にいたずらを全てのいたずらを止めてしまうとどうだろう。先に述べた様に、データベースが少なく、未来の予測、すなわち困難に立ち向かうための準備ができないと言う事だ。そういったいたずらを許容されずに、いわゆる「聞き分けの良い子」というレッテルを貼られてしまうと子供はどうなるのか。

そうなると、より大きな社会に出たときに

自分で判断し行動できない人間

になってしまうのではないだろうか。人の言う事を聞ける子供と言うのは育てやすそうで聞こえは良いが、親の指示がなければ行動できない、と言うことの裏返しではないだろうか。また、自分の行動の意思決定ができないと言うことは周囲の意見に流されてしまうと言うこと。すなわち『同調圧力』に流されてしまうと言うことだ。周囲の人間と同じ行動を繰り返すことで個性や感性が育まれる機会が少なくなる。多様性が重視される現代において、今までの様な『良い子を育てる』といった教育視点では生き抜くスキルは生まれないのかもしれない。

〈いたずら2.0〉

これまでにいたずらの重要性を書いていきた。人に言われるまでもなく未来に向けたデータベースを構築するといった最高の機会だ。言い換えれば、

最高の『自主性』育成トレーニング

ではないだろうか。

しかし、ただただいたずらを許容し見ているだけでは親の精神が崩壊しそうだ。そこで、『このいたずらで、今この子の脳は成長している』と思える様にしたいところだ。脳の発達に関しては、あるものに特別敏感になる時期がある。それを『敏感期』と呼ぶ。この敏感期には様々な機能の敏感期がある。

運動
言葉
秩序
読む
書く
文化

※このあたりはモンテッソーリ教育についての本に詳しく書いてあるので参考にされたい。

それぞれに敏感期があり、おおよその時期も決められているのだが、このおおよその時期に絶対当てはまらないといけないと思わないことも大事になる。子供の成長は千差万別だ。そして、この敏感期にいる子供達は何度も同じ行為を繰り返す。そして静かに楽しみながらやっている。

隠れてこそこそ何をしているんだろうと思えば、ニヤッとしながらティッシュを全部出している。

親からすると、イライラポイントの一つだ。しかしこの行動を、

今この子は、”指の運動”の敏感期でこれをクリアしたら一人でご飯が食べられるかもしれないぞ。

といった様に思考を変えてみよう。だんだん可愛く見えてくる。

こういったいたずらを全て『敏感期』という名のフィルターを通して見ると許せる範囲が広がってはこないだろうか。

ただし、そういうふうに理解するには親の知識も必要になる。子供のいたずらに対するイライラに終止符を打ちたいならある程度の勉強は不可欠なのだろう。

そうして無意味のイライラさせるだけの『いたずら1.0』から意味のある、そして将来のための『いたずら2.0』にシフトチェンジし親子共々成長できればと思う。

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今回はいたずらについてまとめてみた。実際、子供のいたずらに対峙すると、こうもうまくいかない事もある。だからアンガーマネジメントなどと組み合わせて対処できれば良いのではないだろうか。『welcome,いたずら』精神で育児に臨みたい。

ではまた!!


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