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紫電 24
眠らない街が眠る時。
中央分離帯でタクシーを捕まえた若い男は、助手席に乗ると加熱式煙草の吸殻を窓から捨てて去っていった。
ホストらしき二人と共に歩く派手髪の女三人。路地裏には発泡酒片手に煙草を吹かす髭面の男。
眠らない街が寝ている間、昨晩闊歩した連中の倍以上はあろう大人達が、残骸を片付けていた。
絶叫。歩こう。
もてなしの街、巣鴨。
檸檬の添えられた墓。四年程前に未熟な授業を致しました。
墓の敷地を歩くお爺さん。少し言葉を交わし、応援して頂けた。あたたかい。
一度墓を出た。戸を開いてお爺さんが、陽の光を浴びて微笑んでいた。
憧れてやまない文豪様に話し掛けた。返答は風のみだった。彼の名を冠する賞を目指し、堂々と会うと約束した。改めて誓う。名を残すまで、死ぬ訳にはいかぬ。
私の線香はラーク・クラシック・マイルド。そして誰かが添えたトレジャラー・ブラック。
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早起きの街が、元気になる時。
続