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紫電 05
モノクローム。
それはまるで穢れた脳髄の様な火種でした。
天気と同じくらい、重苦しい一日だったな。
君が笑えば 僕も笑うよ
そんな難しいこと出来ないよ。
今すぐ消えてくれ、さぁ。本当にそうしたくなるよ全くもう。
眼鏡を外せば世界はモザイクでぼやけるのさ。
そこにアイマスクを装着。不完全な黒。
昔はよく鼻が高いと褒められたものだが、その鼻はアイマスクに引っ掛かって真っ暗を許さない。
ピントの合わない視界に微かに一匹の鳥が通り過ぎて行ったのを確認した。
指先が冷える。花は咲かない。華も無い。
社会で適応していくとは大変な事だ。尤も、生きる以上に大変な事など存在しないと思うのだが。
縊死、溺死、轢死。嫌だ嫌だ。
医師に会うのは明日になるのだろうか、或いは明後日以降か。
出来次第で、人生は何とでもなるかもしれない。出来損ないの私には、それすらも難しく思えてくる。
歴史に学ぶのが賢者、経験に学ぶのは愚者。だが然し己の経験こそが全てとなる場合も在ろう。
徐々に暗くなる。苦楽成る。
鼓動の音を少しでも遮断しようとイヤホンを着けるがそれは同時に鼓動を強調するものでもある。
協調性の無い連中だ。少しは静かにさせてくれ。
社会に出るから歯車は回るのか、歯車が回るから社会は回るのか。
単独で回天を続ける歯車はどうしようか。
茨をギアに添えて噛み合わせてみよう。
きっと血が出る。これはきっと違うな。
人間生きてるだけで偉大だよ。
白黒世界の怪文書。
多分続く。