身近な男女差について問う。
4月に入社した新人スタッフが、辞めたいと言ってきた。
未就学児2人の母であり妻でありながら、未経験の分野に飛び込み、フルタイムで4ヶ月間働いてきた彼女。
慣れないことの連続で、彼女自身がしんどいのは当たり前。
だけど、彼女が辞めたい一番の理由は、母親と過ごす時間が減ったことで現れ始めた、子どもさん達の心身的な不調を回復させるためだった。
彼女に限らず、家庭がうまく回らなくなった時、仕事との両立を制限せざるを得ないのは圧倒的に女性の方が多い。
なぜなのか?
▪子どもが母親を頼るから
▪男女の賃金格差で、女性が仕事をセーブする方が家計への痛手が少ないから
▪一般的に、女性の方が家事全般が得意とされているから
どれも、これまでに聞いたことがある理由。
でもね、今回気付いたことがある。
家庭を持ちながら働いている私は、退勤時間が近付いてくると、帰宅後の家事のことを考え始める。
帰るのは○時○分ぐらいになるから、犬の散歩が終わったら○分ぐらいで、夫が帰ってくる時間から逆算すると、作れるおかずはアレとアレだな、とか。
今日は少し早く帰れそうだから、15分間ぐらいなら買い物できるし、今日のうちにお弁当の食材を買い足しておこうかな、とか。
なるべく早く帰って家事をするというのは、フルタイムで働く主婦の私にとっては、当たり前の感覚。
幼子のいる兼業主婦なら、もっとたくさんの段取りを考えているだろう。
転じて、最も身近な男性である夫は、家事に協力的な部類ではあるけれど、帰り道にフラッと寄り道をして帰ってくることがしばしば。
きっと彼にとっては、仕事が終わった後はもう「自分の時間」なんだろうな。
世の中には、シングルファーザーとして仕事と家事を両立しておられる男性もいることぐらいは、承知している。
けれど、この国の男性の中に、女性と同じ意識の高さで退勤後の家事について考えてくれている男性って、どのぐらいいるんだろう。
結局、こういう日々の生活に根差した意識における男女差の積み重ねが、今の社会の男女格差を作ってきたんだろうな、と。
家事は女性だけがするものだなんて思ってないよ、と言う共働き男性の皆さん。
日々の帰宅後の家事の段取りについて、責任感を伴って切実に考えたこと、どれぐらいありますか…?
夫が仕事帰りにクレーンゲームで取ってきたぬいぐるみを見ながら、そんなことを考える昼下がり。