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映画『沈黙のレジスタンス ユダヤ孤児を救った芸術家』(2020)の感想
映画『沈黙のレジスタンス ユダヤ孤児を救った芸術家』を映画館で観てきた。監督はジョナタン・ヤクボウィッツ、主演のジェシー・アイゼンバーグがマルセル・マルソーを演じる。アメリカ・ドイツ・イギリスの合作で、120分。主な舞台はフランスなのだけれど、基本的な言語は英語である。
ユダヤ人のレジスタンスが、ナチスドイツと戦う物語だ。このような映画を教材に史実を学ぶ必要はある。ナチスの冷酷無比な面と、人間的な部分が描かれていたりもする。しかし、どこか啓蒙的なのだ。啓蒙的なので、イマイチ、物語の中に入っていくことができなかった。
あと、ジェシー・アイゼンバーグのパントマイムが、あんまり上手ではないので、スクリーンの中でのパフォーマンスに引き込まれなかった、というのもある。日本のパントマイマーのレベルが高すぎるのかもしれない。
これは『復讐者たち』というユダヤ人レジスタンスの映画にも感じたことなのだが、ハリウッド資本だと、啓蒙的すぎるのだ。
そして、フランス人にはフランス人の、ドイツ人にはドイツ人の、アメリカ人にはアメリカ人の、それぞれの文化によって醸し出される独特の冷たさや暗さがあるのだが、そういった空気感がなくフラットになってしまっている感じがした。ある種の奥行きが失われてしまっている。決して悪い映画ではないのだけれど、お気に入りの一作にはなりにくいように思われた。
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