2024年 年間映画ベスト5
2024年もあと10日。映画感想文の今年のまとめをしたいと思う。
今年、映画感想文は58本書いた。劇場で鑑賞した作品は57本。(『進撃の巨人』のレビュー記事は書いていないが、映画館には行ったのでカウントに入れる)配信で観てレビューした作品は2本。自宅でだらだら観ていた作品はたくさんあるが覚えていない。
年末だというのに観たい映画がないので、今年は店じまい。で、100本観ていたらベスト10だと思うが、今年は本数も58本なので、ベスト5にしておこう。
第1位『ロボット・ドリームズ』(2023)
最近、観た作品が上位になってしまうのは親近性効果以外のなにものでもないのだが、主人公のドッグのことを日常のふとしたときに考えてしまう。「今のわたしの行動はドッグっぽい」とか考える。油断すると誰もがドッグになってしまうのだよ、恐ろしいことに。
コンパニオンロボットやらペットロボットについてもいろいろ調べてしまった。ただ、わたしは友達ロボットより、カウンセリングとコーチングをしてくれるロボットがほしい。この機能を持ったロボットが開発されたら、めちゃ売れますぜ、旦那。
第2位『シビル・ウォー アメリカ最後の日』(2024)
この映画は銃撃戦のドンパチ、音の震え・振動を体感することに醍醐味があり、配信で観たところで何も面白くないと思う。キルステン・ダンストの険しい顔、遠い目が印象に残っている。スパイダーマンのMJも、立派な大人になったものだ。彼女の夫であるジェシー・プレモンスの「What Kind of an American Are You?」も、ときどき思い出してしまうぐらい怖かった。
第3位『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』(2023)
本作は友愛・隣人愛が輝く一瞬をとらえた作品だと思う。人と人はつながって生きている。つながらずに生きていくことはできない。しかし、つながりすぎてもいけない。過剰なつながりは、お互いを追い詰め、窒息させる。ずっとつながってなくてもいい。一時でも寄り添えた記憶がその後の誰かの人生を支えてくれるものになる。そういう映画だったと思う。
第4位『チャレンジャーズ』(2024)
男ってのは、女を介して、互いのきずなを深め合おうとする。だまされていたことに気付く瞬間のゼンデイヤのゆがんだ顔は必見。他人の心はもちろん見えないし、自分の気持ちだってよくわかっていない。しかし、あの行動に嘘はない。三角関係というのは、こうでなきゃ、という作品だった。
第5位『悪は存在しない』(2023)
グランピング施設を作ろうとする芸能事務所の人たちと、その交渉をする村の人々。コロナ禍が終わり、キャンプ用品の会社の業績悪化のニュースを見るにつけ、グランピング施設が作れていたとしてもうまくいかなかったのだろうなと映画と関連付けて考えることが何度かあった。コロナは消えていないが、コロナ禍は終わったのだ。(そういえば、わたしは今年コロナに初罹患してつらかった)
蛇足。映画『劇場版「進撃の巨人」完結編 THE LAST ATTACK』は若い観客が多かったのだが、驚いたのは、そこらじゅうで、スマホをちらりと見るだけではなく、チャットとか、調べものとか平気でやり始めることだった。そんなに集中できないなら、映画館に来ないでほしい。年齢を問わないディズニー映画とかでも、そういう人たちと一緒になることが多いので、マジできつい。あいつら、巨人に食われちまえばいいと思う。あと、あなたのアップルウォッチ光ってますよ系も結構ある。こういう文章って、なんか老害っぽいなと思うけれど、書き留めておきたい。吾輩は新人老害である。
とはいえ、来年も映画館には行きたい。ただ、作品数は増えても、公開作品数は減少していく傾向にあることは間違いないので、「行けるときは行く」を徹底していくしかない。
自分にとって大事な映画は、何度も繰り返し観て、自分の思考の変化も見ていくといいと思う。新しい発見もあるだろう。来年は、すでにレビューを書いた作品を見直して、レビュー記事のブラッシュアップなり、補足・推敲などをする作業もしていきたい。映画ってのは、観たあとからが本番。