#映画感想文『コーダ あいのうた』(2021)
映画『コーダ あいのうた』を映画館で観てきた。
監督・脚本は、シア・ヘダーで、主演はエミリア・ジョーンズ。
アメリカ映画、上映時間は112分。
アカデミー賞にノミネートされたこともあってか、客席は満員に近く、ちょっと驚いた。
この映画の主人公のルビーは、聾啞者の家族の中で、たった一人の健聴者だ。そのため、手話通訳として、家族と健聴者の橋渡しを子どものときから、ずっとやっていた。
そんな彼女の才能は歌を歌うこと。家族にはわかってもらえない才能であるがゆえ、彼女自身、はじめは自分自身を過小評価してしまう。
音楽教師にバークレーに行くことを勧められるも、両親は戸惑いを隠せない。そして、彼女は家族をサポートする道を選ぼうとする。
ここ数年、ヤングケアラーという親や祖父母の世話をする子どもや若者の存在が可視化されつつあるが、聾唖者の家庭に生まれた健聴者の子どもたちは、ずっとヤングケアラーとして存在していたのだな、と思わせられた。
この映画で、最も印象深く感じられたのは、観客が聾唖者の体験をさせられるシーンだ。この演出はすさまじい。急に他人事ではなくなる。
エウヘニオ・デルベスが演じるメキシコ出身の音楽の先生は、主人公のルビーを励まし続け、支援を惜しまない。ああいう人がいて、人生を信じられる子どもは、本当に幸せ者だと思う。
この映画は、フランス映画の『エール!』のリメイク作品なので、近いうちに、こちらも鑑賞しておきたいと思っている。
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