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映画『12モンキーズ』(1995)の感想

Amazon Primeで、テリー・ギリアム監督の『12モンキーズ』を見た。

以前、見たテリー・ギリアム監督の映画は、『未来世紀ブラジル』だったようで、『12モンキーズ』は初見であった。(でも、もしかしたら、VHSでレンタルをして見たかもしれない。覚えていないだけで)

「ウィルス感染で、世界の人口の50億人が死に、地球は動物たちの世界になる」という冒頭である。2020年8月現在では、全然笑えないし、荒唐無稽だとも思えない。

映像も、CGではなくて、セットだと思うと、すごいなと改めて感じる。

また、おどおどして挙動不審なジェームズ・コール(ブルース・ウィリス)は、かわいい。いつも血だらけで、暴力的な側面もあるのだが、観客と一緒にわけのわからぬ事態に陥り、困っていて、不思議と同情心がわいてくる。

饒舌で、目がいっちゃってるジェフリー・ゴインズ(ブラッド・ピット)も馬鹿息子感が最高である。90年代であれば、ぎりぎりヒッピー文化の残滓が描かれても許容されたのかもしれない。彼の資本主義批判はヒッピーたちの主張とそれほど大きくは変わらないだろう。

おどろおどろしい世界ではあるが、ちょこちょこコメディ的な描写もあり、珍道中的な要素もあり、楽しい。

『12モンキーズ』といえば、このテーマソングのほうがむしろ有名なのかもしれない。バラエティ番組で不穏な空気が流れたりすると、このテーマソングがかかっていたりして、その安直さが愛おしいとすら思う。

Wikipediaによれば(←これなんか馬鹿っぽくてやだな)、ブルース・ウィリスは『ダイ・ハード』のあとで苦悩しており、ブラッド・ピットは『12モンキーズ』のまえに『セブン』を撮り終えていたらしい。それをふまえると、また感慨深い。

そして、私にとって、テリー・ギリアム監督は、爆笑問題の太田さんとお笑い芸人ポーズをとってくれる優しいおじさんでもある。

テレビドラマシリーズもあるようなので、見てみたいと思っている。



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