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『自由というサプリ(続・ラブという薬)』の読書感想文

いとうせいこうさん、星野概念さん、司会進行がトミヤマユキコさんによる多問多答という青山ブックセンターでのイベントが書籍化された『自由というサプリ(続・ラブという薬)』を読んだ。基本は二人の対談で進んでいき、
ところどころトミヤマさんも登場するので鼎談になっているところもある。

前作の『ラブという薬』の読書感想文はこちら

二人きりで話す対談ではなく、あくまでイベントとしてお客さんのまえで交わされている会話なので、読んでいるだけでも、参加しているようで楽しい気分になってくる。

いとうせいこうさんの「他人の人生相談に乗っているとすごく元気が出てくる(p.68)」という話はとてもわかる気がした。他人のことになると客観的に冷静になれるのに、なぜか自分のこととなると、深刻になってしまう。

また、いとうさんの「翻訳作業は自我と向き合う必要がないから無心になれる(p.78-79)」という話も、実感としてよくわかる。わたしは今、資格試験の勉強やTOEICの勉強をだらだらとではあるが、やっている。そのときは、自分のことをくよくよと考えたりせず、そのことに集中ができるので、とても精神衛生的によい。

それから、いとうさんが、小豆島の旅行で出会ったミミちゃん(猿)とおばさんの関係性、愛着問題の話(p.134-135)なども興味深くもあり、会いに行きたい、と思ってしまった。(Googleで検索すると、ミミちゃんの写真なども出てきた。)

星野概念さんが、マインドフルネス(瞑想)は、いきなりやってもできない、と仰っており、安心した。

第4章では、松本ハウスのお二人も登場して、ハウス加賀谷さんの統合失調症のお話になる。松本キックさんは、相方の体調やメンタルのことを心配しながら仕事をするかどうかを決めている、という話をされていて、コンビというのはいいものだな、と改めて思った。

星野概念さんが紹介している神田橋先生も読んでみたい、と思った。

この本のおかげで、精神科へ行く上でのハードルは確かに下がった。ただ、薬だけ出して終わりの病院もあり、いくつか探す必要がある、という主旨の話を前作でされていたと思うのだが、精神的に疲労困憊なときに、よい精神科医を探すために何軒も探し回るなんてことは、土台無理な話という気もする。

しかしながら、病院やお医者さんの評価は、食べログのような口コミのようにはいかないわけで、やはり知り合いの紹介あたりが一番確実な気がする。メンタルヘルスについて、オープンに話せる知り合いだったら間違いないのだが、今のところ、身近にそのような人はいない。困ったものだ。

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