映画『東洋の魔女』(2021)の感想
映画『東洋の魔女』を映画館で観てきた。東洋の魔女と呼ばれた日本女子バレーボールチームのドキュメンタリーで、監督・脚本は、フランス人のジュリアン・ファロで、上映時間は100分、フランスの製作だ。
1964年の東京オリンピックで金メダルに輝いた女子バレーボール日本代表チームとは何だったのかを問う映画である。
大松監督の過酷な練習に耐える選手たちの映像が残っていたことにまず驚いた。ただ、すべてが映像に記録されていたわけではないので、アニメの『アタックNo.1』がたびたび挿入され、空白箇所を埋めていくというトリッキーな演出だ。
監督はフランス国立スポーツ研究所のスポーツ映像の管理部門で働いているそうだ。
TOKIONの監督のインタビューで興味深かったのはここの部分だ。
映画を観てから時間が経過してしまい、はっきり覚えていないのだが、一回失敗すると最初からやり直しという地獄のような練習があった。(あのシーンには震えたね。)
『東洋の魔女』たちの連戦連勝には、確かな根拠があったことがこの映画を観るとよくわかる。
しかし、彼女たちの体型を見ていると、今の女性アスリートたちと比べれば、女性らしい体付きをしている、という印象は持った。今のアスリートは、スポーツに科学や栄養学に基づいているとは思うが、もっと痩せている。
驚いたことに『アタックNo.1』の第一話がYouTubeに公式にアップロードされているではないか。
ただ、スポーツには、どうしてもナショナリズムとマッチョイズムがまとわりついてくるので、今はちょっと距離を置いている。ファンタジーとして楽しめなくなってきた。
東洋の魔女たちの輝きと成功は、戦後という時代が彼女たちの境遇に大きな影響を与えており、スポーツと国家、個人は、やはり無関係ではいられないことがよくわかった。