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#読書感想文

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文芸書から自己啓発書まで、読書感想文として書き留めています。ご参考になれば幸いです。
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2022年9月の記事一覧

#読書感想文 うめざわしゅん『ダーウィン事変』

#読書感想文 うめざわしゅん『ダーウィン事変』

うめざわしゅんの漫画『ダーウィン事変』の1~4巻までを読んだ。

主人公のチャーリーは、ヒューマンジーと呼ばれる人間とチンパンジーから生まれた人物である。彼の存在を利用しようというテロ組織「動物解放同盟(ALA)」が現れるところから物語はスタートする。

多くの人に指摘されていることではあるが、アメリカのドラマ、映画を観ているような気分になる。そして、霊長類研究やヴィーガン、アメリカの政治などもた

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#読書感想文 リチャード・ブローティガン(2002)『愛のゆくえ』

#読書感想文 リチャード・ブローティガン(2002)『愛のゆくえ』

リチャード・ブローティガンの『愛のゆくえ』を読んだ。2002年に早川書房のハヤカワepi文庫から出されたもので、翻訳は青木日出夫である。

リチャード・ブローティガンは1935年生まれのアメリカの作家で、アメリカにおいても人気作家だったらしい。華々しい時代はあったものの、1984年に銃で自死をしている。

リチャード・ブローティガンといえば、藤本和子さんの訳が有名で、村上春樹にも多大なる影響を与え

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#読書感想文 安部公房(1982)『箱男』

#読書感想文 安部公房(1982)『箱男』

安部公房の『箱男』を読了した。1982年10月25日に出版された新潮文庫で、単行本は1973年3月に出版されている。

箱男とはその名の通り、段ボール箱にすっぽり入って生活している人である。ただ、箱男が誰なのかは、よくわからない。

「見ること」「見られること」といった視線自体がモチーフとなっており、途中から、「書くこと」「書かれること」といった主体と客体の話になっていく。わたしたちはテクストを読

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