第27週 スポーツ選手 根本道世
はじめに
第27週目のスポーツ選手は剣道の 根本道世さんです。
子ども時代
根本さんは 1955年大阪のご出身です。
根本道世さんが剣道を始めたのは11歳で、大阪城公園内にある大阪市立修道館だったそうです。
当時通っていた道場には女の子は誰もいなかったそうです。
はじめられたのは家が近かったことが理由だそうです。
最初は辞めたくて仕方がなかったそうです。
それでも、道場の帰り際に「明日もまたガンバリや」と毎回声を掛けられ、子供心にやる気をそそられたのだそうです。
教員になられる
根本さんは教員になられ、学校でも剣道を教えられます。
男子生徒を指導した時、女性が男子生徒に剣道を教えるなんてと誹謗されることもあったそうです。
また根本さんは女性として初めて大阪で行われた全国大会の審判として参加されています。
8段への挑戦
根本道世さんは1995年に七段を取得されます。
根本さんがが七段を取得して、女性七段は4人になったそうです。
それでもたったの4人だ。年齢の離れた先輩が2人、ライバルの同年代に1人、そして彼女だそうです。
その中には学生時代からライバルであった根本あけみさんもいらっしゃいます。
根本さんは7段を取られたとき「女性の七段というのは男性の八段と同等だよ」と声を掛けられたそうです。
その時は意味が分からなかったのだそうですが、のちに八段を受けようとした時に、この言葉が八段に挑戦しないよう彼女に引導を渡す意味だったと教えられた。
こうして露骨な女性蔑視の言葉も浴びせられたそうです。
しかし、「なんでだ」と憤る気持ちこそあれ、それであきらめるようなひ弱さは根本さんにはありませんでした。
8段の受審資格は7段取得後10年以上、且つ46歳以上という決まりがあります。
八段は、「剣道の奥義に通暁、成熟し、技倆円熟なる者」
剣道8段審査の合格率は概ね1%ほど。
日本で1番難しい資格審査といわれています。
そして8段の女性の有段者はまだいらっしゃいません。
根本さんは2005年からずっと8段への昇段試験に挑戦されています。
2013年春に根本さんは教師として務めていた大阪の高校を早期退職され、週に2回、練習や指導をしつつ昇段試験に挑戦されています、
同年10回目の挑戦を終え、根本さんはインタビューで以下のように答えておられます。
「ここまで来たら意地ということもありますしね」。保守的な制度はいつか誰かが突破するしかない。その役割をこれからも買って出るつもりだ。「自分たちの代がパイオニア的存在として受験し続けようと思っています。たとえ受かるのが後輩たちが先であってもね」。
剣道について根本さんは以下のように語られます。
「年齢や性別、上手い下手にかかわらず、誰でもが誰とでも、対戦し、稽古をできるのが剣道の魅力。しかも、自分より格上の人に勝てることもあるんです」
根本さんはクルクルと表情を変え、大きな声で、大阪弁をまき散らしながら、苦労も嫌なことも丸ごと全てひっくるめて面白おかしく話されたそうです。
めぐめぐがすごいと思う根本道世さんのこと
1男性が強い剣道の世界でパイオニアとしてずっと活躍されてきたこと
2一番難しい試験に毎年挑戦され、それでも諦めないこと
3そしてどんなにつらくても楽しく笑いながら剣道の世界を楽しまれていること