しまなみ海道〜 大山祇神社編~
しまなみ海道の通る瀬戸田町生口島。
日本一の国産レモンの生産地を駆け抜け、多々羅大橋まで辿り着く。
土地の半分が傾斜地で日当りがよく、夏の降水量や年間の降水日数が少ないという瀬戸内特有の温暖な気候。
寒さや風に弱いレモンの栽培に適していたため、古くは明治時代頃からレモンの栽培が盛んになったそうだ。
この時期は白い花が咲く。
それはジャスミンのような甘い香り。
景色も香りも清々しくて自転車がすいすい漕げる。
とうとう多々羅大橋までやってきて、県境を越えた。
ここで、自動車で渡るだけでは目にできない「鳴き龍」 と呼ばれる現象がみれる。
しまなみ海道で唯一ここだけ、この多々羅大橋では手をたたいたりすると、その音が橋の主塔に反射しながら空に向かって登って行くような現象が体験できる。
この音の響きが心地よくて、何度叩いても不快でない不思議。
癒された。
ふと、下を見ると南国リゾート気分
橋を渡り終え、しまなみ海道を外れて向かった先は芸予諸島最大の島である大三島の大山祇神社。
この神社までのサイクリングロードが素晴らしかった。
車の接近を全く気にせず、快適に島の中を走ることができる。
本当にしっかりと道が整備されていることに驚いた。
だが、上り坂と下り坂を絶妙に織り交ぜたロードを必死に漕ぎながらの峠越えのため、写真撮影する余裕は薄れていった。
悔やまれる。
遂に、目的地到着。
御祭神の「大山祇神」は天照大御神の兄神で、日本の山の神の総元締にあたる。
そして山の神であると同時に大海原の神でもあり、さらには戦いの神としても知られているため勝負運や戦勝祈願にも強力なご利益が期待できるとか。
なんと万能な格式高い神社。
さらに驚くべきことに、全国の国宝&重要文化財の指定を受けた武具類の約8割が、ここ大山祇神社宝物館に保存展示されている。
歴史の教科書でしか見たことがないような源頼朝や義経の本物の鎧や刀、村上水軍関連の宝物など鳥肌もので圧巻の宝物館だった。
故に、当地大三島は「国宝の島」
豊かになるためには争いを避けて通れなかった歴史の重みに思いを馳せる。
数々の戦勝祈願として無数の武具がこの愛媛県大三島の大山祇神社に奉納されている。
信仰の厚さがまじまじと伝わってきた。
神社というのは神聖な雰囲気が常に漂う。
それはところ変わっても等しい。
ここからまた折り返し、生口島へと戻る。