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お題:屋根の上のバイオリン弾き
フランス語だと、バイオリン"弾き"ではなく単に"バイオリン"。
ここ、最初は違和感でしかなかった🤣
でも、仏語でバイオリン弾きとするとun violonist sur le toit。
これはこれで違和感だったw。
さて、こちらの作品は、日本では森繁久彌さんと西田敏行さんのバージョンを観ています。
西田バージョンは長女と次女が島田歌穂&本田美奈子。の二大ポニーヌで嬉しかったな。
帝劇(今は日生?)は横が広いから、広大な田舎っぽい雰囲気が出ていますよね。
きっちりと作品を楽しめる。
比べると、日本では"家族の話"なところ、フランスでは"人種差別"の話と感じました。
日本にいた頃は、この作品の本質は観ていなかったようにも思います。
自分自身が人種差別を受けることがなかったせいでしょう。体験しないとわからない。
それが、フランスに来てユダヤ人街の劇場でユダヤの歴史を体験している国民が演じると、単にミュージカル作品とは言えない何かが宿っていて、もの凄い舞台になってて世界観すら変わりました。
これは、ミュージカル"キャバレー"でも言える事で、キャバレーもfolie bergerと言うユダヤ人街の外れにある劇場だったのだけど、今にも本当にナチスが乗り込んで来るんじゃないかって思わせる緊張感があって、凄まじかった。ラストのシーンでは背筋が本当に凍って、拍手すら出来なかった。
なんと言うのか、現代においてもユダヤ人の内に秘め続けられている物?そんな物がオーラになって飛んでくるんです。
あ、役者さんたちがみんなユダヤ人って訳ではないんですけどね、勿論。
観たのはもう何年も前なのに、いまだに彼らの嘆きが見える。
私、色の共感覚持ってるんですけど、あの時舞台からまかれた色とそのスピード、強さがハンパなかったから、余計に忘れられないのでしょう。
子供の頃はそのせいで何日も何週間も余韻で使いものにならなかった(笑)けど、大人になってこの感覚が起きる舞台は、本当に稀になりました。
だからこそ凄さも分かるし忘れられない。
この舞台では、国から追い出されるユダヤ人のことが描かれていますが、それまでの全てを捨てさせられその後の補償もなく、他の国では行った側から嫌われる。
今、フランスにも国から追われた人たちが沢山来ていて、そして嫌われてる。
世紀が何度変わっても、人間って変われないし同じ事繰り返してますね…
最近、下の子と出かけていてとある男性とすれ違った時、
「あの人、ママンが嫌いだね。アジア人だからだね」って言われました。
10歳児ですら人種差別を感じる残念さ。そのせいでか?急にこの舞台を思い出したのでした。