🎨「百年後芸術祭」を見に行ってみた🎨

2024年5月7日 23:12

こんにちは。ゴールデンウィークが終わりましたね✨皆さん、どのようにお過ごしだったでしょうか？

房総半島民のわが家、ゴールデンウイークは道路が混むので、なるべく車移動しないように過ごしているんですが。

ご近所のエリアで、5/26まで「百年後芸術祭」なるものが開かれているので、「たまには高尚な『あーと』なるものに触れてみんとてすなり」ということで

🎨「百年後芸術祭」に行ってみました🎨

👇こちらが、千葉県誕生150周年を記念して5/26まで開催されている「百年後芸術祭」のコンセプトです。

百年後芸術祭とは

百年後芸術祭は、千葉県誕生150周年記念事業の一環として実施される、百年後を考える誰もが参加できる芸術祭です。自然、文化資源、豊かな千葉を舞台に、一緒に百年後を創っていく共創の場としての芸術祭を目指します。

総合プロデューサーには、芸術祭の会場の1つであるクルックフィールズ（木更津市）の代表を務める音楽プロデューサーの小林武史が就任。アートの総合ディレクターは、地域に根ざした芸術祭を数多く手掛ける北川フラムが務めます。

国内外から参加したアーティストやクリエーターによる多様な芸術作品が、内房総を中心とした千葉県各地に展示されるほか、ライブアートパフォーマンスや食をテーマとした体験など、体験型プログラムもご用意しています。

「アート」「テクノロジー」「音楽」「食」、そしてそれらからの「学び」を通じて、百年後を一緒に考えていきましょう。

「百年後芸術祭」公式ホームページ
「コンセプト」より引用

👇以下が公式サイト～🎨

芸術祭の総合プロデューサーは、小林武史氏。

木更津に「クルックフィールズ」という、文化と芸術、自然と農業の一体化を試みる施設があるんですが、そちらの総合プロデューサーもしています。

👇️クルックフィールズについてはコチラ

👇️小林武史氏についてはコチラ

アートフェスや観光施設のプロデューサー、と聞くと、「バリバリの実業家」というイメージを持たれると思いますが、

現在、アラフォーの私世代にとっては、数々の名曲を世に送り出してきた「敏腕音楽プロデューサー」というイメージ。

マイラバ＝My Little Lover、ミスチル＝ミスター・チルドレン、イェン・タウン・バンド、Salut、アイナ・ジ・エンド・・・

小林武史の作った数々の楽曲を、カラオケで大熱唱した世代🎤🎶

🎵「小林武史」と聞いただけで「♪き～おく～のな～かで～♪」と自動再生される世代
（マイラバの "Hello, Again"）
🎵あるいは「♪とまった～てのひら　ふるえて～るの、ちゅうちょし～て～♪」と自動再生される世代
（イェン・タウン・バンドの”Swallowtail Butterfly”）

👇楽曲はコチラ♪

うおお～！！なつかしくてふるえるぅうううぅ！！

Charaがわかかわいいぃぃぃ！！（👈当たり前）

カラオケ行きたいぃぃぃいいぃいいぃ🎤（👈行けばいいのに）

・・・と、情緒不安定になるくらいは小林武史楽曲に感化されてきた人生。

なので、地元だから＋ミーハーな心も手伝って、行ってみることにしました。近いし空いてるだろうから、遠出と人混みを嫌がる子どもたちも付き合ってくれそうだし。

見て回るにあたって、各エリアの拠点で「パスポート」を手に入れます。

※全エリアを見て回れるパスポートは大人3,500円／名ですが、特定エリアだけなら500円で拝観できます。

パスポートは、こんな感じ。

作品番号が書かれたシンプルな台紙に、各箇所でマル印のスタンプを押してもらいます。
台紙は大人も子どもも共通。

パスポートを手に入れたら、いざ、アートをめぐる旅へ出発！🎨

🎨富津市①「埋立記念館」にて🎨

富津市は、海にほど近い「埋立記念館」「富津市公民館」で主に展示があり、埋立記念館でパスポートやエリアチケットなどの受付を済ませ、展示を見ていきます。

**富津市埋立記念館**
特徴的な塔は、江戸時代から富津岬にあった「砲台」をイメージしているんだそう💣️😮

受付を入り、87 88 と番号の書かれた案内板にしたがって歩いていくと、

87 武藤亜希子　作
「海の森ーA＋M＋A＋M＋O」がありました。

布で作られたアマモの森、その中に、やさしい色の革で作られた数々のオブジェたち。

海の生き物を連想させるカラフルなオブジェには、スナップボタンが付いていて、繋げたり、壁に固定されたオブジェにくっつけることができます。

ボールみたいなものもあり、小さい子どもたちが楽しく遊べそう。

と思ったら、小学生と中学生の我が家の子どもたち、「叩いてかぶってジャンケンポン」で盛り上がっていました。

埋立記念館にはもう一つ、和室を使ったアートの展示がありました。

👆️念のため、「カタボリズム」の意味を調べてみたらこんなん出ました。

「異化」という意味で、人体だと例えば、呼吸で吐く空気を「水」と「二酸化炭素」に分解する作用なんだそうな。

複雑な化合物が、簡単な物質に分解されることを言うらしいけれど…ハテ❔❔❔

和室に近づくと、かぐわしくかぎ慣れた、和の粋を集めたようない～い香りが。。。

そしてまるで、京都のお寺のごとく見事に黒く磨き上げられた床、が広がっていると思ったら

なんと黒い床は、醤油の海！！

和室いっぱいの醤油の池に浮かぶのは、金属？でできた昔の町並み。
海と埋立地と街の歴史を表現した作品とのことですが、まさか、醤油の海とはねー！！

黒くて平らな鏡のような物体＝固く磨かれた床
と、経験の蓄積で脳が認識してしまい、めちゃめちゃ醤油の香りが漂っていても、初めは信じられないんですよね。

で、思わず、ふーっと吹いて、湖面にさざ波を立てて確認してしまった。。。

「あ、しょーゆだしょーゆだ」つって🤣

「カタボリズム」と「醤油の海」

富津という土地の歴史と、醤油の深い匂いと、溶けていっているのか、生成しているのかわからない程度に崩れた町の模型が、落ち着いた和の空間でいつまでも、循環し続けているように思えました。

この作品、中から見た後、「外からも見えるんじゃない？」と言って、子どもたちと建物の外から、向こう側の窓へ回ってみたら、作品が見えただけでなく、うっすらお醤油の香りも漂ってきた気がしました。鼻腔に残っていたのかしら？

🎨富津市②「富津市公民館」にて🎨

埋立記念館の隣にある「富津市公民館」は、子どもたちの「赤ちゃん教室」などで私は何回か訪れたことのある場所。
そんな、見慣れたロビーにオシャレなTシャツやらエレキギターやら、カラフルなアクリルの箱に蛍光灯を入れたアート作品がぞろぞろ並んでいるのは、何とも不思議な雰囲気。
と言うか、置いてある公民館の備品が全部、アートに見えてくる🤣

89　中﨑透　作
「沸々と　沸き立つ思い　民の庭」

この作品は、公民館の1階と2階の様々な場所に、大小さまざま点在している32作品を見つけ、さらには公民館の外へ飛び出して、15のエピソードから成る《Another Story》を探していくもの。

作品を鑑賞する前に、受付で作品番号が書かれた地図をもらうのですが、アートを鑑賞すると言うよりは、さながら「宝探しの旅」

公民館の中は、公民館にもともと置かれている備品や、もとから飾られている絵や書などの作品に混ざって、展示されている作品を見つけていくコース。

いい意味で、「違和感」を見つける目が養われていく感じ。

１番「展示」らしい展示だったのが、こちらの会議室👇️

ボートと、岩のような波のようなアクリルたち
子どもたちは、窓の景色を色ちがいの
アクリルに透かして、違いを楽しんでいました

メインは、カラフルなアクリル箱の中に蛍光灯が設置されている作品群なのですが、「富津市にゆかりのある人々へのインタビュー」がボードに印刷されていて、そのインタビューに関わる品物や作品が点々と展示されているので、文章を読むのと作品を探すのと、もともとの漁業にまつわる展示や、市民の方の作品を見るのとでいろいろ忙しい。

かなりの距離を、歩きました。

そしてここで、地図を読むのが得意な息子、大活躍。作品番号に沿って、建物の中だけでなく外の遊歩道や海沿いの道も、ばっちりガイドしてくれました✨

外の展示は、壁や地面に文字が書いてあったり

コース途中に、別アーティストの作品も

この写真の奥に見える橋桁の下もコースになっていましたが、そこには落書きやひっくり返ったボートがあり、その間を泳ぎ回る小魚の群れなんかがいて

人為的な作品も自然も、ただのゴミも、全部が渾然一体となって「芸術」に昇華しているような、

海の近くで暮らしている私たち家族には限りなく日常なのに、日常をまるごと切り取って「非日常」として楽しんでいるような

そんな不思議な感覚にとらわれました。

🎨君津市「八重原公民館」にて🎨

君津市には、4作品の展示がありましたが、そのうち「八重原公民館」に展示されていた2作品を鑑賞しました。

中に入ると、広間の真ん中で参加型の描画パフォーマンスをしていたのが 80 佐藤悠さん。

引っ込み思案な娘は、参加したがらなかったので、ご挨拶だけして外の展示へ。

天井には、昨年の11月に能登半島の珠洲市でパフォーマンスした作品が飾られていました。地震の復興にも協力されているのだそう。

外へ出ると、巨大おたまじゃくしや亀のいる池に、大きな説明ボードが立てられており、木がたくさん植えられている。
この木々も作品の一部。

79 深澤孝史　作
「鉄と海苔」

この展示とセットになっているのが、公民館の外壁に設置されたこちらの作品👇️

干された海苔、のように見えるのは、
金属の板。バチが用意されていて、
叩いて音を楽しむことができます🎶

「カン」「コン」と音を立てる金属板たちは、どれも少しずつ色や形や角度が違って、何人かで一緒に叩いても、一人で叩いてもなかなかに楽しい。

木造で古民家風の公民館と、色彩や風合いがマッチする作品群に、富津市の作品とは異なる「人と自然の関わりと温かさ」を感じました。

🎨「百年後芸術祭」の感想🎨

今から「百年後」の芸術祭を、赤ん坊の人はもしかしたら、また見ることができるかもしれませんし、

今から「百年前」の芸術祭のことを覚えている人は、誰もいないでしょう。

それなのに、どうしてこんな名前の芸術祭が開かれたのか。
その答えが公式ホームページに載っていました。

自分以外の他者が生きる世界のことを想像する、というこの芸術祭の根底にある利他的精神を表現すること、そして未来や他者の存在が画一化されたものではない多様なものであること

「百年後芸術祭」公式Hpより

自分のことや、自分の国のこと、人間のことしか考えない世界情勢のなかで

他者や他国の人々のこと、人間以外の命の存在について

山も海も、人の営みも豊富な「千葉」「房総半島」という場所で、アートを通じて感じ、考えるさせられた気がします。

芸術祭の作品に触れてみるまでは、
作者が訴えたいことを遥か高みから形にすることがアートなのだろうと思っていましたが

実際に作品と空間を共にしてみたら、
日常生活で何となく決めつけてしまっていることを、全く新しい形に作り直して、問いかけることが、アートの役割なのかなと思いました。

そうした、作品や作者の「問いかけ」に、どう答えていこうか考えるのが、アートを見る人の役割なのかな、と。

特に私は、美術館や建物の中に閉じ込められた「触らないでください！」と叱られるタイプのアートにしか接してこなかったので。

今回のような、屋外をあちこち見て回るアート鑑賞をしてみて、いい意味で「アート」の敷居が低くなったし、身の回りの何気ないものをもっと面白がる「目」を養った気がします。

そして、自然とアートの境界線て、ほんと曖昧なんだなとも思いました。

まだ会期があるので、機会があれば、他の作品も見てみたいと思います🎨

お近くの方は、ぜひ💓

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