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練って待つ | 読書日記『はじめて考えるときのように』

野矢茂樹さんとの出会いはオーディオブックの講義授業を聴いて、柔らかな語り口、且つ内容がすーっと頭に入ってくるほどに分かりやすくてファンになった。

仕事で使う「考える」という実践的なアプローチではなく、哲学者のそもそも考えることって何だろう、という基礎を先ずは理解しようと思いこの本を読んでみた。するとそこには考えることとは何ぞや、ということを理解する要素が書いてあり大変勉強になった。

まずは論理について。論理の定義が上手く表現されており、著者曰く論理とは考えないために用いるとのこと。

ああ、なるほど論理立てて話すことは他人の解釈を狭めていって、考えを固定することなのだ、とイメージを掴んだ。

そして考えることは自分の感覚を研ぎ澄ますことにも通じる。

「考える」っていうのは、耳を澄ますこと、研ぎ澄ますこと。いろんなことをして、見て、感じて、思いがよぎる中で「あ、これだ!」という声を拾うということ。
野矢茂樹『はじめて考えるときのように 「わかる」ための哲学的道案内 』

こちらはアイデアを得る時の心得とも言える。この気付くことを拾い出すアンテナも大事ってことがよく分かった。

果報は寝て待て
昔のことわざ

なるほど、良い結果を得るのもアイデアを得るのも色々思考を練ってからは待つことが肝心っと。

ああ、まるでパンが発酵してボウルの中で大きく膨らむあのイメージかな。こうやってパンづくりと考えることをつなげると、考えている時の楽しさも倍増するのは私だけなのだろう。

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