日々のこと
隣の公園に立つ、大木の枝葉が風に揺れる。
リビングの出窓から爽やかな風が吹き込み、私の部屋まで気持ち良く吹き抜ける。
公園の奥は斜面になっていて、そこにはビワや梅など果実をつける植物から大小様々な樹木が生い茂り、それぞれの季節で表情豊かな自然の様子が観察できる。
私が暮らすこの辺りは、都内の便利な場所でありながら自然も豊かだ。
私は普段編集者の仕事をしながら、家で酵母を起こしてパンを焼いたり、散歩しながら写真を撮ったり、文章を書いたりして過ごしている。
今の私は、好きな場所で好きな事をして、他の人とも穏やかなコミュニケーションをとる事ができて、のんびりして自由で心が安定し、色んな意味で豊かだ。
20代後半では地方に移住してのんびり暮らすのが夢だったけれど、いつの間にか今ここでかなり理想に近い暮らしができてる。
子どもの父親とは、価値観やものの見方が真逆と言える程に違っていたことから、お互いの今後の幸せな人生を考えて一昨年に籍を抜いたが、
5歳になった私の子どもは、私や父親、親族、家族以外の大人からも見守られ良い環境で育てる事が出来ていると思う。
子どもと一緒に近所のカフェに行ったり、散歩しながら風景写真を撮ったり、下北沢などで大好きなヴィンテージのワンピースを探すのに付き合ってもらったり、
地域のイベントに参加したり、仕事関連や友人の集まりにも連れて行ける場合は連れて行き、家で一緒にパンやお菓子を焼いたり。
そんな普通な事に幸せを感じる。
数年前からそんな環境で、好きなことをして暮らせているからだと思うけど、
自分でも驚くくらいにすっかり気楽な人でいる事ができていて、以前に比べて人とも軽やかに付き合えるようになった。
過去の私は神経質すぎて、小さな事を気にしすぎたし人が嫌いでもあった。
生きていく中で色んな人と出会うけど、過去を忘れる事ができてる人は幸せで、
年齢に関わらず本人も気づかないまま過去や未来の事を気にしすぎていたり、少しの事が傷になっている人というのは少なからずいて、
そう感じる度に、もう忘れたらいいのに。と思うけど、忘れられなくて困っているのかもしれない。
同じ出来事を経験していても、人それぞれ認識や記憶が違うということはよくあることで、
過去も未来も気にしすぎず、多様性を受け入れて、優しく穏やかな気持ちで今を楽しく生きれば大丈夫。
私はそうしてる。子どもも気楽な人でいてほしい。
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