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私が併読をすすめる理由。
本好きの皆さん、「併読」してますか?
まず、併読とは何か。広辞苑を引いてみます。
へい‐どく【併読】
二つ以上のものをあわせ読むこと。「新聞二紙を―する」
このnoteでいう併読とは、2冊以上の本を、同時並行で読み進めることを指します。
本の読み方は人によって千差万別ですが、大きく「併読するか/しないか」に大別できます。
複数の本を同時に読み進める”併読派”。一冊の本を読み終えるまで別の本に移らない”熟読派”。
皆さんは、どちらの読み方で読書をされていますでしょうか?
私は、生粋の”併読派”です。
それも、「読んでいる本に飽きたから、仕方なく別の本に手を出す」という併読ではなく、「同時に複数の本を読みたいから読む」という、”積極的併読”を楽しんでいます。
今回は、併読について思いつくままに、文章を書いてみることにしました。
私の併読スタイル
私は常時、3〜4冊の本を併読しています。
そのほとんどが小説ですが、雑誌や漫画、ビジネス書など、ジャンルやテイストが異なる本を併読することも多いです。
併読には、その日その時の気分によって、読む本を切り替える楽しみがあります。この自由さが好きで、私は積極的に併読しています。
私は、自分には合わない作品だと感じても、よほどのことがない限り、最後まで読み切ります。その時、併読は大きな助けになってくれます。
合わないと感じた本から一旦離れ、全く関係ないジャンルの本を読むことで、頭を綺麗にリセットし、新鮮な気持ちで再度読み始めることができるのです。
このように、初めは難解に感じた本でも、併読によって最後まで読むことができた作品はいくつもあります。
読書がシンクロしたことがある
併読は、時に面白い現象を引き起こすします。それが、「読書のシンクロ」です。
呉明益さんの『自転車泥棒』と、村上春樹さんの『ねじまき鳥クロニクル』。
以前併読していたこの2作品で、偶然にも、思わぬシンクロが発生したことがありました。
両作品には、戦時中の動物園における、猛獣殺処分の話が登場します。
あまり普段見聞きすることのない話題ですが、殺処分の凄惨なエピソードが2つの作品に共通して登場したことで、深く印象に残りました。
この思わぬシンクロによって、自身の知識が深まるとともに、両作品の深みが増したように思います。併読による、相乗効果とでも言えるでしょうか。
勿論、何か興味関心のあるテーマがあって、それに関する本を複数冊読むことはあると思います。
しかし、無作為に併読した作品の中に思わぬ共通点があり、それが自分の知識の扉を開いてくれた時、なんとも言えない興奮を感じます。
婦人画報「併読本のススメ」
最後に、併読派の皆さんにぜひ知ってほしい、「本のカップリング」をしてくれるコンテンツをご紹介します。
雑誌『婦人画報』さんの書評コーナー、「併読本のススメ」です。
間室道子さん、町田康さん、豊﨑由美さんのお三方が、月替わりで担当している「併読本のススメ」。
「絶叫小説」「コロナ禍を超えて」「ネクストブレイク作家」など、毎回様々なテーマを設定し、一緒に読みたい併読本を2冊ずつ紹介しています。
こういう併読本のカップリングコンテンツって、実はあまり存在しません。とても貴重なコンテンツだと思います。
有料会員でないと全文を読めない記事もありますが、紹介本自体は毎回確認することができます。
毎月の選書の参考に、ぜひ一度覗いてみてはいかがでしょうか。
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