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男は棘でも指に刺さろうものなら大声でわめきたてるが、女はお産のときでも男の耳ざわりにならないよう叫び声を押し殺す。2021/05/26

 出社したついでに書店にいった。書店に行ったついでに出社したともいえる。新刊出まくりのタイミングで、話題の『三体』はもちろん、ピンチョンの新作『ブリーディング・エッジ』も出ている。

 ピンチョンは昔、『逆光』を読んでみて、途中で挫折した。一通り読み始めたら読み切る主義なのだけど、これまでに挫折したのはジョイスの『フィネガンズ・ウェイク』とピンチョンの『逆光』なのだけど、ピンチョンは、なんというか、腰を据えれば、読めるような気がしている。という訳で、そろそろピンチョン再挑戦の機運が自分の中でも高まっていたので、新刊が出たタイミングをこれ幸いと買ってみたのだった。

 マーガレット・ミッチェル『風と共に去りぬ 1』を読んでいる。新潮文庫の鴻巣さん新訳バージョン。最初はこれ面白いのかしらと半信半疑だったけど、スカーレット・オハラが自分が片思いしている相手が結婚すると知ってからの展開は怒涛の面白さ。

 男が財産を所有し、女がそれを切り回す。しかし運営がうまくいけば夫の手柄とされ、妻はその才覚を褒める側にまわる。男は棘でも指に刺さろうものなら大声でわめきたてるが、女はお産のときでも男の耳ざわりにならないよう叫び声を押し殺す。
P.129


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