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rkare_ota
商場が解体されたあの瞬間から、記憶もまたゆるやかに、でもけっして後戻りすることなく解体を続けている。 2021/10/18
月曜日、在宅。また1週間が始まる。それなりに大事な1週間。ひとまず事なきを得たというか、順調なスタート。ようやく気温も下がってきたのでニットも売れ始めた。
最近は記憶にまつわる話が好きなんだと思う。
「ぼくも記憶はあやふやだな。ときに確信を持って、あの店はあそこにあったと思っても、次の瞬間、急に自信がなくなったりしてね」商場が解体されたあの瞬間から、記憶もまたゆるやかに、でもけっして後戻りすることなく解体を続けている。
この『歩道橋の魔術師』も『アレクサンドリア四重奏』も『ビルバオーニューヨークービルバオ』も記憶にまつわる物語。今年、良いと思う作品がだいたいそういう感じなのだけど、これもそれなりに年をとってきた影響なのだろうか。
記憶は常に、その体験の直後から解体され続けていて、思い出すという行為によって再構成されている。思い出すというのは再構成というよりも生成に近い感じなのかもしれない。そんなことを思っているし、ずっとこういうことを考えていたいのだけど、仕事もしなくてはいけないのがサラリーマンなのだ。
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