富裕層と聞いて、思い出したこと。仕事において大事なこと。
木下斉さんのVoicyで、富裕層についての話がありました。
富裕層という大雑把な括りでカテゴライズした人は存在しないよ。その立場、趣味、嗜好は、多種多様で庶民には想像できない人たちだよー。それを踏まえて営業しよう、というお話しです。
富裕層の嗜好は、庶民が想像することを越えているのですよね。
それを思い出した出来事があります。
私は若い頃、港区の美容院で働いていました。小さな店だったのですが、オーナーの顧客に総理のご家族がいたのですね。
高級車に乗っているのですが、「車は乗れればそれでいいわ。」と頓着がなく、手入れもさほどされていない様子。とてもびっくりしました。
服は、20代の私が見ても素敵と思うお召し物で小柄な方ですが、ジャストサイズ。バッグはブランド品。
そして、家庭画報などの、高級品の載った奥様向け雑誌はそれほど興味なく、VOGUEなどのブランド最先端のファッション紙はペラペラと見ていました。
ありきたりな物、コトは手に入っているので、関心がないのだと思います。
ファッションや美に確固たる意志を持っているので、白髪染めは2週間に1度。お出かけの時はその都度シャンプーとヘアセットでした。
ヘアはオーダーメイドなので、信頼してくれれば通ってくれます。
しかし、マンネリ化しないように、店長も微妙にカラーを替えたり、その方専用でカラーを取り寄せたりして、新しい提案が定期的にできるよう苦心していました。
ヘアセットでも、その方を毎回施術しているうちに編み出された技があり、それを気に入ってくださっていました。
私たちスタッフも、その方がいらっしゃると緊張感に包まれます。
一度でもミスをしたら終わり。とシャンプーも全力でした。
その方は静かな空間を好むので、落ち着いた曲をかけていました。
無駄話は好まなかったので、馴れ馴れしく話しかけず。でも和やかに、フラットに。へり下ることはせず、緊張を表に出さず、堂々と。
当時、大切なことを学びました
○ 技術職として、仕事にプライドを持ち、プロとして技術を磨き、新しい提案をしていく。
○ サービス業として、お客様の嗜好を読み取り、不快な部分を消していく。できれば、喜んでもらえる対応をしていく。
もちろん、一般のお客様にも心を込めて対応するのですが、富裕層の方は求める水準が高いので、こちらも常にレベルが問われます。
20代前半でこのような世界を知れたことは私の財産です。
久しぶりにピリッとした空気と和やかさが混じった空気を思い出しました。
最後までお読みくださりありがとうございました!