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【ドローン宅配】アメリカでの好感度は驚異の9割

世界初のオンデマンド商用ドローンデリバリーサービスは、2017年イスラエルのFlytrex社によってアイスランドのレイキャビクで開始された。それから遅れること2年、Alphabet(Googleの持株会社)傘下のWing Aviation社がオーストラリアのキャンベラとローガン、フィンランドのヘルシンキ、アメリカのクリスチャンズバーグでドローン宅配サービスを開始したのは2019年のことになる。

ドローンデリバリーへの不安と期待

新たなテクノロジーの導入には不安と期待が交錯する。社会実装前のドローンデリバリー(drone delivery)は安全性、プライバシー、騒音など様々な問題が懸念されていた。サービス開始前、つまりドローンデリバリーを体験したことのない地域の人々を対象とした調査では、ドローン宅配サービスを歓迎すると答えた人の割合は最高でも51%だった。

ドローン宅配が開始された地域住民による評価

では、実際にドローン宅配サービスが開始された地域の住民はドローン宅配をどう評価しているのか?ドローン宅配スタートから2年目に突入しているバージニア州クリスチャンズバーグの住民に対して行われた調査結果が、このほど『Issues in Science and Technology』(2021年春号)に発表された。

ドローン宅配の好感度は87%

バージニア工科大学とVirginia Tech Mid-Atlantic Aviation Partnership(MAAP)が共同で実施したこの調査結果では、ドローンデリバリー開始以前のアンケート結果と打って変わり、回答者の実に87%がドローン宅配を好ましいサービスと回答。既にドローン宅配サービスを使用あるいは今後利用する積もりだと回答した人の割合は89%に上った。

払拭されたドローンデリバリーへの不安

実際にドローン宅配サービスが開始された地域住民の間では、サービス開始前に人々が漠然と抱いていたプライバシー(71%)や安全性(68%)といった懸念はすっかり解消されており、回答者があげたマイナス面でワースト1位だった騒音でさえ僅か17%にとどまった。

その騒音を意識する人であっても75%がドローンデリバリーを肯定的に捉えており、61%の人は今後ドローン宅配を利用する積もりだと答えている。実際にドローン宅配が行われている地域住民からのドローンデリバリーに対する満足度は非常に高く、不安が払拭されていることが判明した。

コロナ禍で重要度を増すドローン宅配

また、住民のドローンデリバリーに対する意識に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックがもたらした影響も大きかった。回答者の58%がコロナ禍で非接触型配送であるドローン宅配を強く意識するようになったと感じている。

現在では恒例のガールスカウトによるクッキー売り(ガールスカウトクッキー文化は100年以上の伝統を誇る)もバージニア州のガールスカウト「Girl Scouts of Virginia Skyline」がクリスチャンズバーグの住民にドローン宅配でクッキーを販売するなど、ドローンデリバリーは「ニューノーマル」として地域社会にすっかり浸透している。

バージニア工科大学とVirginia Tech Mid-Atlantic Aviation Partnership(MAAP)が共同で実施したこの調査結果レポート「Perspectives on drone delivery」は、バージニア工科大学のWebサイトからダウンロードできる。


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