太宰治名作集『畜犬談』をオーディオブックで聴く。
最近、車を運転している時は、オーディオブックで「太宰治名作集」を聴いています。
ながら読書ができるのがオーディオブックのメリットではあるのですが、作品によってはあまり脳に響いてこなかったり、他のことを考えてしまって聞き逃しの部分が多くなったりして、一度聴いただけでは記憶に残らないのがデメリットです。
それでも、文学に触れる時間を少しでも確保したく、聞き流し状態となってしまうのは覚悟の上で聴いています。
しかし、『畜犬談』は、車を運転しながらでも不思議と確実に脳に響いてきました。
小説を聴くというよりも、落語を聴いているようなイメージでした。
作品の「私」は、おそらく太宰治自身のことだと思うのですが、犬に対する気持ちが伝わってきて、ずっとニヤニヤしながら聴いてしまいました。
対向車を運転している人からは、気持ち悪がられたかもしれません。
私が子供の頃は、街のどこかに野良犬がいました。
小学校の運動場にも普通に入ってきて、体育の授業中も生徒の間をうろうろしていました。
中には犬が怖いという生徒もいて、逃げるものだから余計に犬に追いかけられていました。
『畜犬談』を聞きながら、そういった昔のことを思い出したのでした。