読書日記㉒わたし、定時で帰ります。ハイパー/朱野帰子
こんにちは。
暑くなったり寒くなったり、春は気まぐれですね。
ランニングコースに咲いている桜のつぼみが膨らんできました。ピンクのつぼみが樹の枝にぽつぽつとついて、桜の季節が迫ってきています。
さて、今日の本も面白かった。こちらです。
わたし、定時で帰ります。ハイパー/新潮文庫/朱野帰子
「わたし、定時で帰ります。」の続編。定時帰りをつらぬく東山結衣は、管理職に昇格。二十四時間勤務体制の元恋人種田晃太郎とともに、問題アリの新人ばかりのチームを率いる。自分で起きられない自称大型ルーキー、門限がある女子社員、仕事ができない可愛い子ちゃん、日本の働き方に疑問を持つ留学生。それに加え、クライアントはモーレツ体育会系で、無理難題ばかり。チーム予算を達成し、結衣と社員の働き方を守れるのか?
ドラマ化もされた「わたし、定時で帰ります。」の続編です。前作はかなり前に読み記憶が曖昧でしたが、新たな登場人物がメインなので、問題なく読めました。
クライアントの横暴な態度とか、仕事を早く切り上げたいのにどんどん仕事が来る様子とかもーほんと分かる!!!って感じ。会社員時代を思い出しイライライライラしました。笑 定時に帰りたい、でもクライアントに即座に対応しなければ受注できないし、しわ寄せが他の社員に回ってしまうジレンマ。みんな仕事を早く終えたいのは同じなのに、なぜ会社ってこうも上手くいかないんですかね。
ところで、日向武士さん作「あひるの空」っていうバスケ漫画知っていますか?この中に、ライバル校に名監督がやってきて、いきなりキツイ練習になり生徒が反発する、という話があります。そのときに、監督が「この世に”やらされる”なんてことはない。どんなにきつく命令されても、結局は自分の意思で動いているんだ」というセリフがあります。「わたし、定時で帰ります」を読んでいて、この場面を思い出しました。
定時帰りを貫くみたいに、自分の思うように行動するって勇気がいりますよね。みんな定時に帰ることを羨ましがったり、応援したり、皮肉を言ったりするけど、実際には行動に移さない。結局は、矢面に立つのが怖いから、周りに合わせることを”自分の意思で選択”しているんですよね。あー、私も思い返せばそうだな。仕事を断れなかったり、上司が間違っていると思ったのに言えなかったり。私も納得できないこともよりも、波風立てないことを選択してしまったなぁ。
個人的には、恋愛要素も少しあってテンションあがりました。あまり恋愛小説読んでいなかったので、久々にキュンキュン。がっつりな恋愛物読みたいな。