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38.レコードのある生活。

皆さんは、レコードをお持ちだろうか?

レコードだけ持っていても何も出来ないのは事実だが、レコードに触れたことだけでもある人は、少ないのではないだろうか。ましてや、デジタルネイティブの我々の世代は、レコードさえ記憶の彼方にある方も多いのではなかろうか。また、音楽好きなあなたは、レコードはもう持っている、オーディオも良いやつなんだよと自慢したくなるのかもしれない。

レコードというのは、ビニール版に凸凹を削ってあるものであり、レコードプレイヤーに版を乗せて、針を乗せるという一連の動作を伴って、初めてレコードから音楽が聴けるのである。

私は高校時代から常に音楽が好きで聴いていたために、レコードとプレイヤーが欲しくてたまらなかった。しかし、そんなものに手を出すお金もなく、大学生となった。大学生になってから当時の恋人にクリスマスでレコードとプレイヤーを劇的な演出とともに貰ったのを今も鮮明に覚えている。その元恋人にはそのプレゼントを選んだセンスに対して称賛と感謝をここで送りたい。

まあ、そんな訳で、'ワケあり'レコードプレイヤーとレコードたちと生活することになったのだ。今となっては、そんな始まりでも良いではないかと思うようになった。親友には、「なんか良いね、ロマンチック」だなんて言われた気がする。確かに。そんな気もしてくる。

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普段、我々は既に携帯かウォークマンなどの音楽機器で聴いていることと思う。

レコードのある生活になって、何が変わったのか、というと、「音楽を丁寧に聴くようになった」ということである。

我々が普段聴くときの音楽に対しての姿勢は、さほど丁寧だとは言い難いのかもしれない。まず、第一に、アルバムを通して聴く人々は一体どれくらいいるだろうか?ある人はシャッフルして聴いているかもしれないし、ある人が作ったプレイリストを聴いている人も多いだろう。何にせよ、シェアが出来る時代なのだから。そして、このシェアをアルバム全体で行っている人はどのくらいいるのだろうか?私は、あまり多くないのではないかと思う。大抵、アルバムには1~2曲は目ぼしいものがあるだろう。そして、その1曲をピックアップして友人にシェアをする。以上、だ。

つまり、アルバムを通して聴くという行為は時代とともに少なくなっているのではないかということが言いたい。丁寧な音楽の聴き方とは、アルバムを通して、音楽を作った方に心を馳せながら、なぜこの曲の順番なのか、この展開なのかを考えつつも楽しむ行為なのではないかと思う。

レコードのある生活になると、スキップもシャッフルも一切出来なくなる。必然とA面、B面と聴くようになる。ジャケットをまじまじ見たり、裏の解説を見たり、レコードにホコリが着いていないか確認したり、裏返してレコードに針を乗せてみたり、と音楽を聴くための、音楽と接するための時間が必然と長くなる。

音楽を聴く行為がレコードがあることによって、丁寧になる。じっと座って音楽というものを感じる。

デジタルが溢れ返った今だからこそ、アナログに触れて心を落ち着け、通わすのも、一種の"携帯デトックス"になるのではないだろうか。

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昨日のnoteはこちら。

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Maria.
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