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「SDGs#14 海の豊かさを守ろう」をマンガデザイン

どうもどうも、吉良です。

今回はSDGsの啓蒙を17目標ごとにおこないつつ、マンガデザイナーズラボのSDGsプロデュース事例を紹介していく「SDGsをマンガデザイン」シリーズの第14回です。

「SDGs」って何?と思った方は「SDGs17目標」をマンガデザインの記事からお読みいただくと理解しやすくなると思います。

前回はSDGs17のゴールの13つ目、「13.気候変動に具体的な対策を」を紹介しました。

第14回目はSDGs17のゴールの14つ目、「14.海の豊かさを守ろう」を紹介します。アイコンの色は空色ですね。

「海」は地球表面の70%以上を占めており、地球上の生命にとって必要不可欠なものです。

海は気候を調節し、私たちが生きるために必要な酸素を供給しているほか、多くの海洋生物の生活の場となっています。水産物は、私たちの主要なタンパク源となるうえ、漁師や鮮魚店、レストラン等、人々の生計の支えにもなっています。

「14.海の豊かさを守ろう」では下記のような項目が課題となっています。

・2050年までに、海のプラスチックの量が魚の量を上回る見込みであること
・現在の海洋生物の量は1970年当時の約半分に減少していること
・世界の水産資源のうち、約33%は過剰な漁獲がおこなわれており、海の生き物が絶滅の危機にあること

「14.海の豊かさを守ろう」の課題を紹介している弊社が制作したマンガデザインモーション(動画)も合わせてご覧ください。

日本は四方を海に囲まれた島国です。
国土面積は小さく世界の中でも約60位ですが、排他的経済水域の面積になると世界ランキングトップ10に入る海洋大国になります。だからこそ、国民全員が「海の豊かさを守る」という意識を強く持つ必要があります。

海のごみは海で捨てられたものだと思うかもしれませんが、実は約8割は地上で捨てられたごみが風や水に流されて漂着したものです。

日本は、海の豊かさを脅かす要因のひとつであるプラスチックの使用量が国民ひとり当たりで考えた場合に世界で2位となっており、プラスチックの取り扱いに十分注意する必要があります。

プラスチックを指定方法以外で捨てないことも重要ですが、プラスチックの使用料自体を減らすことも海の豊かさを保つために重要な行動です。

日本では、「12.つくる責任つかう責任」で取り上げたように、レジ袋の有料化や一部店舗での紙ストローへの移行等、プラスチックの使用料を減らす取り組みが生まれはじめています。

また、乱獲が問題となっている海産物については、専門的な知識やガイドを必要とすることなく持続可能な漁業であるかを判別できるよう、下記の2種類の認証がつくられています。

・MSC認証(Marine Stewardship Council)
水産資源と環境に配慮し適切に管理された、持続可能な漁業で獲られた天然の水産物の証です。「海のエコラベル」とも呼ばれています。

・ASC認証(Aquaculture Stewardship Council)
持続可能な方法で養殖された、環境と社会に対し責任のある養殖水産物の証です。

みなさんが何かを購入するときに、どのような素材で作られているか、認証マークはあるかを意識して選ぶことが「14.海の豊かさを守ろう」に貢献することにつながります。

(参考:SDGsジャーナル様相模原市SDGs one by one様農林水産省様

これらの問題提起や私たちにできることをわかりやすく一枚絵(ポスター・広告)・4コママンガで制作した表現した学生の作品を4点紹介します。各自の制作意図を含めてご覧ください。

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(大阪芸術大学 デザイン学科1年 山崎 梨乃さん)

【製作意図】
MSC認証マークをもっと知って欲しくて引用しました。

【吉良式視点】
水産資源と環境に配慮し適切に管理され、持続可能な漁業で獲られた天然水産物の証、「海のエコラベル」の認知度アップにつながるマンガデザインですね。せっかくMSC認証マークを伝えるならば、同時にASC認証マークについても併記できたらもっと良かったですね。

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(大阪芸術大学 デザイン学科4年 川辺 悠以さん)

【製作意図】
海に漂流するプラスチックゴミの量が魚の量を上回っていて、海の生態系に影響を及ぼしていていることを伝えたく、描きました。

【吉良式視点】
良い作品ですね。いきなり考えさせられます。漁業国であり、ひとりあたりのプラスチック使用量世界2位の日本が、2050年にこのデザインのような海に絶対にしてはならないという決意が大切ですね。

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(大阪芸術大学 キャラクター造形学科4年 髙坂 直未さん)

【製作意図】
動物園等でも人気のあるアザラシをモチーフにし、綺麗な海と汚染された海を対比することで危機感を感じられる絵になるよう制作しました。

【吉良式視点】
対比という手法は説明的になりがちですが、言葉を使わず、ひとつのデザイン、一枚絵で2つの世界を描いて対比させた手法は、非常にわかりやすく伝達力もありますね。

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(大阪芸術大学 デザイン学科3年 粟生 菜々珠さん)

【製作意図】
日本で発生する廃プラの量は、年間891万トンと世界で3番目に多いと言われています。日々何気なく使っている化学物質が含まれた洗剤やシャンプーには、マイクロプラスチックが溶け込んでいて、バスルームから海へと流れ、魚類が接種することで、それを食べる人体への影響も危惧されています。
自然素材できちんと生分解できるバイオマスプラスチックのシャンプーや石鹼を使うことがいいと知り、この漫画を描きました。

【吉良式視点】
日々の暮らしに視点を置き、廃棄プラスチックの量世界3位となっている原因のひとつが、化学物質が含まれている洗剤やシャンプーであり、さりげない日常から発生しているものであるという示唆はインパクトがあります。4コマの使い方もデザインセンスあふれていますね。ポジティブデザインがとても良いです。

次回はSDGsのゴール15「陸の豊かさも守ろう」をマンガデザインです。皆様も一緒に理解してSDGsの目標実現に向けて努力しましょう。


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