鈍感な経営者
最近、顔色が悪かった先輩従業員。
ボスが引き受けてきた事故物件的な仕事を丸投げされて、頭を抱えていました…。
この仕事、反社の組員が従業員として雇われている会社の面倒を見るというもの。
先輩が、この会社に関する書類を私に渡して、分析を命じました。
この会社の社長は、その強烈なカリスマ性を以て、荒くれ者達を束ねていたのでした。
会社の周辺では、度々怪しげな事件が勃発。
従業員の取り扱いを間違うと、お礼参りをされる危険性が…。
書類から伝わって来る異様な雰囲気に、ゾッとする私。
先輩は、怯えていました。
「オレ、刺されて、海に浮かぶかも知れない…」
ところが、…。
ある事情が重なって、この仕事はお流れに。
それを知った先輩は、大喜び。
今日は、超ニコニコ☺️
こんなに嬉しそうな先輩を見るのは、初めてです。
それにしても、罪なのは、ボス。
どうして、こんな変な仕事を引き受けて来たのか…。
しかも、自分は何もしようとはしません。
「アイツ、貧乏神なんだよー!」
昨年退職した友人が、そう、絶叫していました。
アルバイトのお爺さんも呆れています。
「この組織は、もう、長くは持たないだろうから、アンタ、早う辞め、辞め!」
当の本人であるボスは、全く危機感を持っていない模様。
経営者たるモノ、鈍感で良いのか?
どうも、腑に落ちないのでした…。