アイスバインができるまで
先日、ドイツ料理「アイスバイン」の話を書いた。
#山のウエノ豚 と言う、かわいくて美味しい豚さんのスネ肉を、思い出の料理にするため、長きにわたった仕込みを行ったのである。
すね肉を塩水とハーブに漬け込んで1週間。
※これは漬けた直後の写真
自分の休みである、木曜日にようやく調理にかかることにした。
だが、木曜日は16時から別の仕事があったので、すべての工程をやることはどうやら不可能っぽい。
結果、木曜日と金曜日にかけて、やってみることになった。
木曜日10時:塩抜き
レシピによっては、そのまま洗って煮込むのも多かったが、いろいろ見ていく中で、塩抜きしてから煮込んでいるレシピも見つかった。
私は、アーユルヴェーダ的にも煮込んだスープも活用したかったので、スープがしょっぱすぎたら嫌だなと思い、塩抜きすることに。
漬け込んでいた豚肉を塩水から出して、良く洗い、水につける。
だいたい2~3時間と言うので、冷蔵庫で放置。
その間に、こないだ注文した #山のウエノ豚 が到着!
受け取ってすぐ、煮込むのに必要で買い忘れていたセロリを買いに行く。
水につけて2時間後、塩抜きの具合は「端っこを切って焼いて味見しろ」とあったので、やってみた。
でも量をケチりすぎて、あまりにも欠片が小さく、しょっぱいのかどうか分からなかったんだけど笑、とりあえずもう1時間やってみることに。
そして、3時間塩抜きしたお肉は、いったん水を捨てて冷蔵庫に保存。
煮込むのは明日にして、本日は終了。
金曜日7時:煮込み開始
なぜ1日で塩抜きから、煮込みまでやらなかったかと言うと、煮込む時間が2~3時間から3~4時間とあり、塩抜きから6時間ないと不可能だと判断したから。
実は、翌日金曜日も10時過ぎには出かける予定があったので、逆算して7時に起床し、煮込み始めることに。
最初から、ジャガイモや人参、セロリを入れて煮込むレシピもあったが、絶対に煮崩れると思ったので、単純に豚スネ肉だけを煮込むことした。
臭み対策として、セロリの葉の部分を投入。調味料は何も入れず、火にかける。
実は、煮込むにあたっていろいろ見てみると、強火でガンガン炊くと肉が固くなってしまうというのが定説。
弱火で数時間煮込むわけだが、肉の温度差を最小限にした方がいいのかな?と勝手に想像し、豚肉をいれた鍋を水から火にかけ、中火程度でゆっくり過熱。
泡が少し出てきて沸騰してきたかな?ぐらいのところで、すぐ火を弱め、そこから蓋をずらして煮込み始めた。
ここで一旦、お布団に戻って2度寝。笑
金曜日9時:煮込み始めて2時間後
9時過ぎに起きて鍋を見てみると、水が減ってきたので、お湯を沸かして肉がかぶるぐらいに足す。
そして、野菜を追加すべく準備。
・小さいジャガイモは皮をむいてそのまま
・人参1本も皮をむいて大きめに輪切り
・玉ねぎ1個は皮をむいて4分の1サイズにカット
それらを鍋にどどっと入れて、さらに1時間弱火で煮込んだ。
1時間後、火を止めて蓋をし、そのまま放置。
実は、ここで一旦冷ますのが大事らしい。
肉のうま味を落ち着かせるとか。
けっこうな量があるので、出かける時間で冷やそうというわけ。
時刻は10時過ぎ。では、行ってきます。
金曜日17時:帰宅
鍋を見てみると完全に冷えて、多少出てきた油も浮いて固まっていた。
スープを味見してみたら、全然しょっぱくなくて、むしろ薄味。
塩抜きしすぎた?と不安がよぎるも、とりあえずそのままで。
金曜日19時:アイスバイン完成!
さて、お腹もすいたので、いよいよ食べてみることに!
野菜が煮崩れそうなので、やはり中火程度でゆっくりあっため直す。
その間に、同じく10日前ぐらいから、仕込んでおいたザワークラウトも開封してみた。
※写真は漬けた直後
色は白っぽく変化していて、ザワークラウトっぽかったのだが、味見してみると、イマイチの出来。
発酵が足りないのか、市販品のような酸味があまり感じられず、塩味が強くて、古漬けのような味わいに。
しんなり具合も甘く、シャキシャキ感が強くて千切りキャベツのよう。
うーん、残念…
正直言えば美味しくはないし、完全にザワークラウトではないんだけれど、薄味と思われるメインと一緒に食べたら食べられそう!と判断した。
鍋があったまったら、煮崩れかけてたジャガイモは、鍋からいったん全部引き上げた。(スープが濁りそうなので)
玉ねぎは芯がほとんどなかったから、だいぶバラバラに。
人参は、煮崩れもなく、いい感じ。
アイスバインの検索で見てたように、一皿に全部を盛りつけてみると…
完成でーす!!!
食べてみた感想
肉は、本当にいい感じに煮込めていた。
すね肉のプリプリッとした肉質は残しつつ、ホロッと繊維は崩れる柔らかさ。
塩加減も程よく残っているが、しょっぱくなくて良い感じ。
粒マスタードをつけて食べると本当に美味しい!
酸味と辛味が合うんだなー
失敗したザワークラウトも、粒マスタード+肉と一緒食べると、マスタードで酸味が補われて美味しくなる。
野菜は、スープが薄味でほとんど味はついてないので、塩味の強いザワークラウトもどきとちょうど合う。
まあまあ、成功と言っていいのではないだろうか。
ホッツェンプロッツとの違い ~ザワークラウト~
今回、うまくいかなかったザワークラウトだが、前回の記事に書いたように、この料理は
ドイツ童話「大どろぼうホッツェンプロッツ ふたたびあらわる」
に出てきて、私がずっと思い焦がれていたものだ。
そこの部分をちょっとだけ引用すると…
赤線の部分を見てもらうと、
ザワークラウトから、ほかほかゆげがあがり…
とある。
がしかし、乳酸発酵させるザワークラウトがなぜ鍋でほかほかしているのか。
今回、この一節をとても疑問に思ったのだ。
ホッツェンプロッツのザワークラウトは特別なモノなのかも知れない…
ほかほかザワークラウトの謎
【可能性1】
ザワークラウトを温めて食べていた。
こちらのレシピサイトに、こうあった。
ドイツではザワークラウトは温めて食べるのが一般的です。
【可能性2】
発酵させずに、簡易的なザワークラウトを作っていた。
このレシピでは、ビネガーを入れて蒸し煮にしてザワークラウトもどきを作っている。
たぶん、童話に出てくるぐらいのものだからトラディショナルに発酵させているはずなので、おそらく可能性1のような気がする。
今度は、温めて食べてみたい。
アーユルヴェーダ的スープの活用
前の記事にも書いたが、アーユルヴェーダ的には肉は少量でエネルギーが高く、消化には重いので、少し食べるだけで十分。
むしろ、そのエネルギーが染み出たスープは、エネルギーが高いうえに消化に軽いので、病気、体や消化力が弱ってる人にはおすすめだ。
そこで、アイスバインとして食べたのは、2回。
野菜とお肉の4/1を残し、少しずつリメイクしていったのである。
土曜日:リメイク① ポトフ風
まずは、スープにコンソメや塩などを足して味を少し濃いめにし、ポトフ風にした。
当然美味しい。
画像は、お弁当用に冷蔵庫で冷やされた後なので、脂が固まってしまい、イマイチの見た目だが、滋味深いとはこういう味のことだろう。
体にしみいる感じ。
日曜日:リメイク② お肉も入れたトマトスープ
残って取り出しておいた、すね肉1/4を割いてスープに戻し、トマト缶、入れるの忘れて残ってたセロリを投入してトマトスープに。
うん、いい感じ!
そのまま一杯いただいて、お弁当用のジップロックスクリューに2日分入れたところで、いいことを思いついた!
あんまり思った味にならなかった「ザワークラウト」を投入すればよかったんだ!と。
少し酸味も出るし、クミンが入ってるのもいいし。
というわけで、あえて少し残して、明日へ持ち越し。
月曜日:リメイク③ ザワークラウト入スープ
ただ、すでにトマトスープの塩味は調整してしまったので、ザワークラウトを入れたらしょっぱくなってしまう。
仕方ないので、そこはすこしお水を足して調整。
冷凍枝豆などで具も増量してみたところ、塩味はOK。
発酵食品を汁物に入れる感じはキムチ鍋と一緒なので、想像通りの味変になった。
これをまた、家でいただく用とお弁当用に取り分けて冷蔵庫へ。
あとは、レンジでチンしながらいただき、1週間ぐらいは楽しめました。
スープも丸ごといただいて大満足。
時間はかかるけど、漬ける時間と煮る時間で手間はそれほどかからず、大量のスープで1週間の献立が簡単になることを思えば、非常に効率が良い。
スープがうれしい冬の季節の一人暮らしメニューにはもってこいです。
そのうち、本物のアイスバインを改めて食べてみたい。
ドイツ料理やを調べてみよう!
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