見出し画像

【難関校対策】正多面体の“切頂”立体

正四面体の各辺の中点をとり、
「凸部に近接の3点を通る平面で凸部を切り落とす」
ことで、どのような立体ができるでしょうか。

そうです、
「正八面体」
ですね。

このように、
正多面体の辺の“三等分点”や“中点”
を通る平面で、
凸部(頂点部分)を切り落とす(→“切頂”)
ことによって、様々な
半正多面体
ができ、
“昔のサッカーボール”
をイメージさせる立体(最後に画像有)や、
準正多面体
などと呼ばれる立体もできましたね。


特に、
正四・六・八面体の“切頂”立体
については、扱いやすいこともあり、入試の題材とされることが多くなります。

それらを十分に分析して把握しておくことは、
難関校入試対策としては有効」
だと思います。



半正多面体】とは、
「正多角形(2種類以上)のみで構成された凸多面体で“頂点部分の面構成”が全て同じ」
である立体のことで
準正多面体】とは、上記に加えて
「ある面と辺を共有する他の面が全て合同」
である立体のことです。

和訳の段階で、
「どの言葉を用いるか」
の解釈で諸説あるようですが、一応上記の理解が一番しっくりくると思います。


2024年の難関校入試問題においては、
「正多面体の切頂立体」
に関する出題が“はやり”となっているかのような状況でした。

例えば、【筑駒】では、
「立方体(または正八面体)の“切頂”立体」
の展開図が示され、誘導参考図として
「立方体の見取り図」
も用意されて出題されていました。
事前に慣れ親しんでさえいれば、簡単に取り組むことができたはずの設問内容でした。

開成】でも、
「正四面体の“切頂”立体」
に関する出題があり、外接球の半径を求めさせる設問もありましたが、誘導の断面図も示されていたこともあり、これまた簡単に解き進められたはずです。

その他【早・慶】でも出題されており、コロナ禍が明けたこともあり、
「やや馴染みの薄い立体で難易度をあげる意図」
により、“はやって”しまっているような状況になったのかもしれません。

いずれにしても、十分に予想できる範囲の立体であり、事前に分析さえしていれば、かなりのアドバンテージになったことでしょう。


そこで、手始めとして次の問題に取り組んでみましょう。


【問題】
「1辺10の正方形6個」と「1辺10の正六角形8個」の14面で形成される多面体の体積を求めよ。


もし、
「この多面体の展開図が示されている」
のであれば、その立体形状をイメージするのは簡単だと思います。

そこで、
展開図がない
状態で、与えられた条件を満たす立体形状を、
理詰めで絞り込む
ことで特定し、その見取り図を頑張って描いてみましょう。

そこまでできれば、
「体積を求めること」
も容易に行えるはずです。


【解説】
まず、
正多面体がなぜ5種類のみか?
を説明する際と同様に考えていきましょう。

ここから先は

1,016字 / 1画像

¥ 300

よろしければご要望と共にチップをいただければ幸いです!何とか多くの方のお役に立てるよう、より一層内容を充実させていきたいと思っています!