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あるキング/伊坂幸太郎
積読本の中から、伊坂幸太郎さんの小説
「あるキング」を拝読しました📖´-
(2023,9,17 読了)
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久しぶりの伊坂幸太郎作品。
伊坂幸太郎さんは、私が勝手に信頼を寄せている作家さんです。どの作品を拝読してもまず間違いがない。少なくとも私には楽しめない作品がない。
だというのに手元にはあまり伊坂幸太郎作品はありません。手元に残す価値まではないということではなくて、あまりにも面白いのでつい人に読ませたくなって譲ってしまうからです。
手元に作品はほとんど残ってないけれど、私が伊坂幸太郎さんを信頼していることに変わりはありません。
だけど、本書は誰にも譲らない。面白いからたくさんの方に読んで欲しいとは思うけど、本書だけは絶対手元に残したいのです。
解説が柴田元幸さんなのもだし、この物語は何度も読み返してもっと自分に落とし込みたい。
野球好きの両親の元に生まれた天才野球少年の0歳〜23歳までを描いた物語です。
両親が好きなチームは万年最下位の弱小チーム。そのチームに息子を入れるべく色々と手を尽くし育てていきます。
キーワードは「マクベス/シェイクスピア」の魔女のセリフ「Fair is faur.」
巻頭に魔女のセリフの訳が6種類ありましたが、私は「輝く光は深い闇よ、深い闇は輝く光よ」という木下順二さん(岩波文庫)の翻訳が好きでした。
マクベスは舞台は観たことありましたが、原作は未読なので是非木下順二さん訳で拝読したいです。
語り手が主人公と主人公に関わる人たちの様子、主要人物たちの心情、出来事などを客観的に述べる三人称で物語は進みます。
本作は今までの伊坂幸太郎作品とは異なると言われていますが、伏線回収の秀逸さはやはり伊坂幸太郎作品だなと感じました。
そして伏線回収された時、込み上げてくるものがあり泣いてしまいました。
本当は色々語りたいのですが、きっと本作はあまり情報を得ずに読んだ方が楽しめるのでこのくらいにしておきます。
一つ言えるとしたら本作はフィクションですが、現実社会も不条理なことはたくさん蔓延っていて、そこを自分の中でどう受け流すかが大きな分かれ道となります。ただ真面目に突き進めばいいと言う訳でもなくて。
「さみしい夜にはペンを持て/古賀史健」での感想の中でも似たようなことを書きましたが、自分で考えることの大切さを忘れてはいけません。これはマクベスを観劇した際にも感じたことでした。
今感想をまとめながら気づいたけど、今の自分に必要なメッセージがあるもの、通ずるものがある作品を無意識に選んで読んでいってるものですね。
そう考えると毎月そうかも。月末付近で通ずるところをもう少し深堀りしてみようと思います。そうしたらきっと今月私にとって大きなテーマだったものが見えてくるはず。
更にもう一つ気付いたこと。
「あるキング」完全版が出てるやーん!
群像劇の手法で王を描いた雑誌版。シェイクスピアを軸に寓話的色彩を強めた単行本版。伊坂ユーモアたっぷりの文庫版。同じ物語でありながら、異なる読み味の三篇をすべて収録した「完全版」。
これも購入するやろ_:( _* ́ཫ`):_グハァ
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