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あん/ドリアン助川





ドリアン助川さんの長編小説
「あん」を拝読しました📖´-
(2024,7,13 読了)



本書は読書会の課題本。
映画は5年前くらいに観了していたのですが、原作はまだ未読だったのでこれを機に拝読しました。
映画も本当によくて好きだったのですが、原作を拝読すると登場人物たちのもっと細やかな心情などを知ることができました。


なにやら過去に薄暗いものを背負っている店主がやっているどら焼き屋にある日老婦人の徳江さんがバイトをしたいと訪ねてきます。
ただなんとなくやっていたどら焼き屋が徳江さんが関わることで少しずつ生まれ変わっていきます。



話が進むと徳江さんは壮絶な人生を送ってきたことがわかってくるのですが、徳江さんが言葉少なに語る言葉はじんわりと心に染みてくるものばかり。決して押し付けがましさがあるわけではなく、生きる歓びを噛み締めている人なのだと思うと感慨深いものがありました。

どんな夢にしろ、いつかきっと、求めているものが見つかる、そのきっかけとしてなんらかの声を聞くことがあると私は思うのです。人の一生は決して一色ではないです。がらっと色合いが変わる時があるのですよ。

徳江さんからの手紙より



私がいなければ、この満月はなかった。木々もなかった。風もなかった。私という視点が失われてしまえば、私が見ているあらゆるものは消えてしまうでしょう。ただそれだけの話です。

徳江さんの手紙より





主人公の千太郎さんも、徳江さんも、どら焼き屋へ通うワカナちゃんもそれぞれ人知れぬ背景があってそんな自分と折り合いをつけながら生きています。
読者の私も今まさに人生の分岐点に差し掛かっているところで、読了後2ヶ月経って改めて徳江さんの言葉を噛み締めているところです。自分らしく生きるとはなんぞやということを自問自答しながら。



この機会に本書を拝読できて本当に良かった。
本書を課題本としてあげてくださった読書会のお仲間さんは、本当に素敵な紳士でそんなにたくさんお会いしたわけではありませんが大好きで大切な方。
もうすぐ県外にお引越しされるので会う機会は益々減ってしまうのがとても寂しいですが、新たな門出を陰ながら応援したいと思います。
いつか必ず会いに行こう。

本当に本当にありがとうございました。











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