神様はそない優しない(猫だまりの日々)/一穂ミチ
まだ5月の感想を全部書き終えていませんが、先に読みたてホヤホヤの感想をあげちゃいます。
「猫だまりの日々」というアンソロジーの中から、
「神様はそない優しない/一穂ミチ」を拝読しました📖´-
(2024,6,18 読了)
この作品は、1年前にジョシュが永遠のおでかけをしてしまい哀しみに暮れていた私に読書会仲間さんが教えてくださいました。
ところがなんでだかすぐには拝読できず、1年以上積読していてようやくあれ読もと思えたのでした。
結果、今拝読できて本当に良かったと思える作品でした。
死後に猫となり、妻に飼われることになった男の物語です。
以下、ほぼネタバレになります。
ハートフルでハッピーに終わるというだけの物語ではありません。
人間の闇をしっかりあぶりだしているように感じます。
妻の潜在意識の中に不妊治療に疲れているのに疲れているとこぼせない雰囲気を作り出している旦那に居なくなって欲しいという想いもあっただろうし、その反面で職場でパワハラを受けながらも不妊治療の為に必死で働いている旦那にもう無理しなくていいという想いがあったのも嘘ではないと思うんです。
この複雑な気持ちは私にも分かる気がします。ジョシュを亡くした1年前の私もこんな風に複雑な気持ち抱えていました。
居なくなって欲しいなんて想いたくもないけれど、弱っていくジョシュを見るのは辛かった。だからといってもちろん投げ出すなんてこともしないですけれど。
神様はそない優しないんです。
ふたりがもっと話し合えれば良かったのに。失って初めて思っていた以上に大切だったことを気づかせるなんて残酷です。
まして、二度も別れを経験しなくてはいけないなんて。
でも、後悔しても遅いのです。そんな妻に神様はほんの少しだけ優しさを与えてくれました。
猫になった旦那と過ごせた日々はきっとかけがえのないひとときだったでしょう。
私もジョシュと過ごした16年間はかけがえのないひとときでした。他に私のもとを旅立っていったわんズとの日々も同じく。
こうやってわんズのことと重ねて拝読したくなるような物語で、読了後に感想をまとめながら自分の中の感情を探っていくと涙が出てきます。ジョシュを失ったばかりの頃だったら本当の自分の感情には気づけなかったかもしれない。
読書会仲間さんの優しい心遣いに改めて心温まります。本来はすぐに読んで欲しかったのかもしれないのにこんなに遅くなってしまって申し訳ない気持ちもありますが、やっぱり今で良かったし、この作品を教えていただいて良かったと思います。
一穂ミチさんはこれが初読ですが、なんとなく人間の不穏な部分を上手にあぶりだして描く方なのかなと。ただただ暗く描くのではなく。
私の傍にいてくれたわんズが人間に生まれ変わって私の元にまた現れてくれないかな……
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