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フランケンシュタイン/メアリー・シェリー、田内志文(訳)
メアリー・シェリー作、田内志文さん訳の長編小説
「フランケンシュタイン」を拝読しました📖´-
(2024,12,13 読了)
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「フランケンシュタイン」を拝読するのは今回が2回目で、読書会などでも度々ご紹介しているくらいに好きな物語です。
ただ、前回拝読したのは3年前。光文社古典新訳文庫の小林章夫さん訳。田内さん訳で拝読するのは今回が初です。
私は訳を読み比べするほどの技量はありませんし、3年前に拝読した小林章夫さんの訳がどうだったかの記憶もないのですが、読了できたということは私が楽しめるくらいには読みやすかったのだと思います。
さて、私が勝手に信頼している田内さんの訳はというと、やはり前提にあるものとしてまず読みやすかったです。それに加えて文章が詩的なので怪物の深い悲しみやフランケンシュタインの苦悩などが、より鮮明に心に響いてきたように感じます。
とはいえ、読み手として特段成長していることのない私は、結局若きフランケンシュタインの身勝手さに腹ただしく思い、不条理に生かされる怪物に同情してしまいます。
自分のやりたいことをやり抜く、自分の生きたい生き方を生きるということはとても大切ですが、自分勝手に生きることとの違いを理解するのが少し難しいなとも思います。
もしあなたの研究にその愛情を弱め、どんな不純物も混じり得ぬ素朴な歓びを味わう素養を損なわせる向きがあるとしたならば、その研究は間違いなく道を外れたもの、言うなれば人心にそぐわぬものだと言い切ってよいでしょう。
私も若き頃は自分の情熱が向かうものを優先させ、周りに多大なる迷惑をかけていました。特に両親や妹たち。
情熱に任せて自分の中に怪物を創りだしていました。
今の年齢になってやっと自分の生きたい生き方を優先させるとはどういうことかが見えてきました。そして今それを実行しているところでして、両親や妹たちも温かく見守りつつ少しは嬉しく思ってくれているようです。
私にとって「フランケンシュタイン」という物語は自分の行く道が間違えていないかを確認するためのもののような気がします。だから分岐点に立つと必ず読みたくなる。
今回再読したのは、田内さんの訳を積んだままにしていることの罪悪感からということもありますが、今私にとって大切な分岐点であるため拝読できて良かったと思います。
改めて、「フランケンシュタイン」は私の大切な1冊となったのでした。
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