死神の精度/伊坂幸太郎
伊坂幸太郎さんの短編集
「死神の精度」を拝読しました📖´-
(2025,1,29 読了)
次回参加する予定の読書会課題本なので拝読しました。久しぶりの伊坂作品です。
「死神の精度」は以前映画は観ています。
伊坂作品って映画化した途端面白くなくなるものが多いのですが、本作は映画がとても良かったのでいつか原作も拝読したいとは思っていました。
主人公は死神。
死神が関わった人間たちのお話が6話収録されています。
死すべき人間の元で一週間調査をし、「可」と担当部署に報告すると8日目に調査対象だった人間は死を迎えることになります。
そして最後を見届けるまでが死神のお仕事。
死すべき人間たちはそれぞれに背負ったものがあり、死神と関わることで気付きを得て死を迎えてゆきます。
ただ一方的に人間だけという訳ではなく、死神もまた人間と関わることで学びを得ていくので、平等でリアルさがあるように感じます。
死神のキャラもいい。
調査対象の人間の状況に合わせて姿や年齢を変えられ、なぜか主人公の死神が仕事をしている時は必ず雨天。仕事の合間にCDショップへ行きミュージックを聴くのが至福のひととき。これは他の死神仲間も同じ。
人間のもつ三大欲はなく、疲れ知らず。
無機質で淡々としているのだけれど、なんだか憎めない。
映画では主人公の死神役を金城武さんが演じていましたが、原作を拝読して改めてピッタリの配役だなと思いました。
拝読中、私の脳内映像はずっと金城武さん。
あー!この映画「ベルリン・天使の詩/ヴィム・ヴェンダース」だよねと嬉しくなってしまいます。こういうちょっとした演出もすてき。
そしてCDショップにチラホラ集まって、静かにミュージックを視聴している死神たちの姿もなんだかほっこり。
ところで、”音楽”といわず頑なに”ミュージック”というのもなんだか面白くてにんまりしてしまいます。
6作品の中で私は「恋愛で死神」が特に好きでした。切ないけれど、心温まるお話。
これがね……これがね……
言いたいけれどとりあえずやめておきましょう。
本書を読み終えるころ、私は号泣していましたとだけお伝えしておきます。
私は伊坂作品をそんなに多く読んでいるわけではないですし、熱心な読者ではありません。新刊を追ったりもしませんし、手元に読了本を残さないこともしばしば。
それでも、伊坂作品はいつ読んでもどれ読んでも面白いという信頼感はあります。だから安心して積んでいられます。
「死神の精度」は手元に残しておきたいな。また読み返したい。
ちなみに「あるキング」も残していますよ。
そして、数冊熟成中の伊坂作品もあります。 楽しみが尽きません。
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