![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/159348052/rectangle_large_type_2_2f01baf30674d768162e2430b047b075.png?width=1200)
日記 次女の運動会
6歳次女の幼稚園の運動会だった。
平日開催なので、妻はもちろん、私は有休をとり7歳長女は小学校を休んだ。そして長崎から義理母も応援に来てくれて、一家全力応援の構えである。
しかし次女といえば、ちょっと不安なところがあった。移住する前の保育園での運動会で、みんなが走ったり踊ったりする中、ほぼ動かずにずっと先生に抱えられていたあの姿が蘇る。
あの時は次女が動かないものだから、かけっこもしかたなく先生が次女を抱えた状態で走ってくれたのだった。まるでお金持ちのご令嬢が「わたくしに汗をかかせる気?」と言って指示をしているかのようであった。後から聞くと周りにたくさんの知らない大人がいてご気分がお乗りにならなかったようで、決して運動してたまるかという強い意思を次女から感じた。怒っている時の妻と同じ目をしていた。
まあなんというかそんな次女なので大丈夫かなあと心配していたのだけど、結果からいうと今年の次女はすばらしかった。ずっとニコニコとしていたし、振付も間違えずに完璧に踊り、一生懸命に駆け回っていた。
今年転園してきたので、先生たちからするとただみんなと同じことをしているだけに見えているかもしれない。しかし我々家族からすると、これはものすごい感動の光景であった。なんと次女が!あの天上天下唯我独尊の次女が、ちゃんとみんなと協力して組体操をしているだと……!
なんというか、これは山王工業戦で流川がついにパスをするくらいの成長かもしれない。この感動が伝わるだろうか。あの独りよがりなプレーだった流川が、パスを!転園して慣れない中新しいお友達とも仲良くなってよくがんばったんだな。えらいぞ次女。動画を撮りながらふと隣を見ると妻は泣いていた。
そして運動会の最後のプログラムには年長とその保護者によるリレーがあった。園児たちが繋いだバトンを保護者代表が受け継ぎ、最後は先生がアンカーとなる。つまり園児たちのがんばりを大人たちが台無しにしてしまうかもしれないのだ。なんちゅうプレッシャーのかかるレースなんだ。そして保護者代表とは他ならぬ私のことであった。
私は8年前に買ったのになぜかまだ新品同様のランニングシューズの紐を結び直し、そして「かっこいいパパ必見!子供の運動会でのケガ対策」というサイトで紹介されていたストレッチを入念にした。たぶん本当にかっこいいパパはこんなサイトなんか見ないだろうが、とにかくケガをしてはならない。
渡されたピンクのハチマキを頭に巻いて、次女たちからつながれてくるバトンを待つ。レースはバトンパスのミスや転倒が多く、順番が激しく入れ替わっている。今ピンクチームは4組中の何番目だろう。よくわからない。
私は前の保護者からバトンをもらって、そして一生懸命に走った。風を切って颯爽と走るイメージをしながら、実際は風をまともにくらってどたどたと走った。風ってどうやって切るんだろう。でも転ばずになんとか先生にバトンをつなぐ。先生が速い。前を抜けるか?いけ!いけ!ゴール!
4位だった。