生姜の砂糖漬け
ホットカーペットの上にごろんと寝転がり、今年は秋が無かったなぁなどと思いながらなんとなく手持ち無沙汰にしていたら、昼間妹が生姜の砂糖漬けがあるよと言っていたのを思い出した。
台所の棚から小ぶりのポットに入っているそれを見つけて、砂糖の結晶にザラリと覆われた一切れをつまみ取りかじってみる。生姜の香りが鼻をくすぐり、舌先にピリッと軽い刺激を感じた後でしっかりした甘みが舌の奥に広がっていく。ほんのちょっぴりかじるつもりが、ついついそのまま一切れ全部食べてしまった。
テーブルの上で冷めていた飲みかけのコーヒを、電子レンジで30秒温めて飲み、"整う"とはこういうことかなどとひとり悦に入る。なんだか体がホクホクしてきた気がする。
若いときは、体に良いと言われるものを食べたり飲んだりしたからといって、特に変化を感じることはなかった。そもそも元気だったからか、自分の体の変化に意識を向ける余裕がなかったからか。
最近は食べたものに体が敏感に反応する気がする。生姜を食べれば体が温まるのだ。年齢を重ねるのも悪くないと思う。