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東京寫眞帖 : 皇居・二の丸の雑木林

先日、三の丸尚蔵館に展覧会を観に行ったついでに、二の丸を歩いてきました。
これまでも江戸城を訪れたことは何度かあるのですが、いつも本丸に直行してしまうので、二の丸を歩くのは(おそらく)今回が初めてでした。


大手門前

大手門前の大行列。
尚蔵館は時間予約制なので、
間に合わないかも、と焦りました…
ちなみにこれは荷物検査の列で、大手門を過ぎれば
そこまで混雑はしていません。
順番を待つ間、することもないので
趣味のシャチホコ観察。
破風部分が青海波模様なのは、
やはり火除けのまじないでしょうか。

二の丸の雑木林

展覧会の後は二の丸へ。
雑木林の入り口。
昭和天皇のご発意で、都市部で失われつつあった
雑木林を復元整備したとのこと。
たしかにいまや、こんな場所は探しても
見つからないですよね。
サルノコシカケの仲間でしょうか、
白い縁取りの黒バラのように見えます。
ずっと見ているとちょっとキモチワルイ(笑)
人影もまばらで、のどかです。
夕暮れ時の教室で、国木田独歩の「武蔵野」を読んだ
高校時代を思い出しました。
(中二病ってこういうことを言うんですかね)
足元のなんていうことのない植物にも
目が引かれます。
どんぐり? にしては大きい謎の実。
あちこちに散らばっていました。
遠くからでも目立つクサギの赤い実。
せせらぎに出ました。
せせらぎの上流(?)。
わさわさとした植物がささやかな流れの水面を
すっかり覆いつくしていました。
その細い流れが、ほんの十数歩の間に
ちゃんとした小川に。
せせらぎの先にビルが見えて、
ここが東京だと思い出します。

二の丸庭園

視界がひらけて、
整えられた庭園が目に飛び込んできました。
菖蒲の季節はさぞ華やかなことでしょう。
二の丸池のほとりの藤棚
夏の名残の百日紅。
広々とした二の丸池。
ヒレのやたらと大きい鯉が何匹も、
悠々と泳いでいました。
アサザの黄色い花が可愛らしい。
池の奥には滝があるのですが、
この日は水が止まっていて残念。
流れ落ちる滝を見たかったなあ。
とりあえず滝の上へ行ってみることに。
滝の真上からの眺め。
庭園は雑木林と違って、
たくさんの観光客で賑っていました。

帰り道

庭園を後にしてまた雑木林へ。
なんだかほっとします。
帰り道。
巨大な石垣の向こうに立ち並ぶ高層ビル。
気持ちが一気に現代に引き戻されます。

おまけ。

三の丸尚蔵館では「花鳥風月ー水の情景・月の風景」という展覧会を開催していました。
その展示のひとつ、「夕月」という女性像です。
実物の彼女はほんのり微笑んでいるようにも見えて、魅力的な表情に惹かれて周りをなんどもウロウロしてしまいました(笑)

優しげな顔立ちの夕月さん。
彼女の視線の先には丸いお月様が。
粋な演出ですね。

(2024.10.6)

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