東京寫眞帖 : 虎ノ門から西新橋のあたり
6月の末に愛宕神社のほおずき市に出かけてきました。その時の行き帰りの写真をいくつか。
社会人になって最初の会社は虎ノ門一丁目の角にありました。
入社してすぐのゴールデンウィーク明けに神谷町に移転しましたので、虎ノ門に通ったのはほんのひと月ほどですが、社会人生活の第一歩を踏み出した街ということで、いまでも少しだけ思い入れがある街です。
新橋駅の烏森口から日比谷通りを越えて延々真っ直ぐ続く通勤路。毎日、遠いなあと思いながら歩いていました。
日比谷通りの交差点で信号待ちをしながら、会社がこの辺りだったらよかったのに、と何度思ったことか。
虎ノ門一丁目の交差点にある「砂場」。
会社のすぐ目の前なのですが、社会に出たばかりの身には少しばかり敷居が高いように感じて、結局、1、2度しか入ったことはありません。そして四半世紀も経つと、恐る恐る入ったお店のお味の方も記憶の彼方(苦笑)
この日は入り口が封鎖されていて、もしや閉店? と思いましたが、土曜日でお休みだっただけのようです。よかった。これでまた今度食べに行けます。
さて、砂場の向かいには虎ノ門ヒルズのビジネスタワーが聳えていました。
私が勤めていたのは、ここにあった第10森ビル。
高度成長期のビルによくあるような、正方形のどっしりとした建物で、入り口の広々とした吹き抜けの空間を覚えています。10階建てだったかと思うのですが、それがこんな見上げるような高層ビルに生まれ変わってしまっていました。
ビジネスタワーの裏手にまわってみます。
このあたりには会社に出入りの喫茶店があって、会議の時などには、黒いベストに蝶ネクタイのごま塩頭のおじさんがコーヒーポットを持ってやってきていました。
しかし当然といいますか、喫茶店も周りのお店も影も形もなくなっていました。
かわりに、高層ビルに埋もれるようにして教会がありました。新しい建物でしたが、教会自体はもしかして昔からあったのでしょうか。
愛宕神社には虎ノ門ヒルズを通り抜けていくことにしました。
ヒルズ内の空中庭園には謎のオブジェが鎮座。なんですかね、これ… ちょっと怖いような。
虎ノ門ヒルズを抜けたところには、琵琶のお店が残っていました。この前を通るたびに、琵琶を弾いてみたいなあ、と中を覗き込んでいたので、まだここにお店があるのを知って嬉しかったです。(なのに実際に習い始めたのはなぜかお三絃でしたが…)
神谷町のオフィス近くの通りは、ほとんど変わっていませんでした。ほっとするような、しないような。
愛宕神社にお参りした後は、新虎通りをぷらぷらしながら新橋駅へ。
幅の広い新虎通りは歩道もゆったりとしていて、新橋方面に向かって歩くと高いビルもなく視界が開けているので、歩いていて気持ちのいい道です。通りに木陰をつくっている街路樹のおかげもあるかもしれません。
西新橋2丁目の交差点で、その街路樹のこんもりとした姿にとても目を引かれました。
で、ふと振り返ると、交差点の角には昭和なビルがありました。
よく見ると窓に面白いものが。
歌舞伎の隈取みたいですね。
最後にこんな拾い物(?)をして、満足した気分で新橋を後にしたのでした。
長くなりました。
虎ノ門界隈の紹介というよりは、自分の過去を懐かしむ記事になってしまいましたが、最後までお付き合いありがとうございました。
よろしければこちらもどうぞ。
(2023.6.24)
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