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身体の声に耳を傾ける
その日、日中は長い時間横坐りをしていたせいで夜になると股関節が痛くなって来た。
こんなことは初めてだった。
最近はすっかり椅子生活だったから身体も急な変化に驚いたみたいだ。
股関節が痛いというだけで脚を動かすのが本当に辛い。
そして自分の脚ってこんなにも重いんだと改めて気づく。
痛い脚を騙し騙しゆっくりと歩く。
歩くってこんなに大変だったっけ。
早めに風呂へ入るとベットに潜り込んだ。
痛いのは股関節の内側。
太ももの外側に手のひらを置くと筋肉が張っているのがわかった。
心の中で長い時間同じ体勢で身体に無理をさせたことを詫びる。
次は黙って付き合ってくれたことに感謝の気持ちを伝える。
ゆっくりゆっくり。
張っていた筋肉を反対側へ戻すように手のひらで撫でてやる。
そして私はいつの間にか眠りについた。
翌朝、目が覚めて脚を恐る恐る動かしてみた。
あれ?痛くない。
慎重にベッドから下りる。
うん。大丈夫そう。
そしてその日は一日中立ち仕事だった。
階段もいつも以上に何度も降りたり上ったりした。
でもありがたいことに前日のあの股関節の痛みはぶり返さなかった。
帰宅後お風呂に入る。
いつもならそんなに長く湯舟に浸からない私だけど、この日は前日の夜を思い出しながら再びお湯の中で今日1日頑張った脚を労うことにした。
何度もさすってはゆっくり曲げたり伸ばしたり。
文句も言わずに動いてくれることを当たり前と思っていたけど、さすがに無理をすると身体って悲鳴をあげるものなんだ。
身体の声に耳を傾ける。
どうして欲しいのか思いを馳せる。
筋肉や筋の流れを考えながらケアをする。
本当はこんなことはあまり言いたくないんだけれど…。
やっぱりそれなりに私も歳を重ねているのだと今回のことで自覚せざるを得なかった。
もうこれからは無理はするまい。
そしてお風呂にも、もう少し丁寧に入ろうと思った。
読んでくれてありがとう。
出会えたご縁に感謝します。
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