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20歳の私へ

きょうの創作です。
大学生の自分に話しかけています。

あなたは一浪し、いわゆる難関国立大学に入りました。交友関係は虚無ですね。試験の時に結束するくらい。あなたはサークルには入らず、地元でバイトに精を出し、お金が貯まったら海外旅行をするという生活をしています。

バイト先では仕事ができず、男性社員に「君ほんとに〇〇大学?」と嫌味を言われています。どのバイト先でも、なぜか年上の男性に言われますね。何かあるんですかね?とにかく、こういう人は一定の割合でいるようなので、あまり気にしないように。この先の人生であと100人くらい出てきます。

あなたには恋人がいますね。近づくのに勇気を振り絞ったのは本当にすごいことです。なぜならその人は、とてもかっこいいけれど、身体的特徴は女の人だからです。

あなたはその人と体の関係をもちますが、一人でする時は男の人を思い浮かべています。罪悪感えぐいですね。あなたは苦しさのあまり、その気持ちをレポート用紙にしたため、大学のジェンダー専門の先生に報告します。先生は困惑しつつも、親身に対応してくれます。あなたは一旦落ち着きます。

恋人と旅行をすると、同じツアーの人たちがひそひそ話をします。「どっちなんだろう」「どっちなのかしらね」聞こえるように言う人もいます。恋人の悲しみが伝わってきます。自分もいたたまれなくなります。だんだん、恋人のことが好きな気持ちよりも、恥ずかしいという気持ちが大きくなってきます。

あなたは一人でいる時も、些細なことで傷つき、落ち込むようになります。自分はおかしい、と思ったあなたは、インターネットで調べ、境界性人格障害という言葉を見つけます。絶対にこれだ!と思ったあなたは心療内科を訪ねますが、先生の診断ではそんなにひどくなく、あなたは少しがっかりします。何か、自分が納得する”型”が欲しかったですね。

私は、あなたと恋人の仲がこれからどうなるか知っています。でもどちらにしろ、これだけは言わせて下さい。あなたが悩んでいろいろ調べる中で「性別とはグラデーションなのだ」と学んだことは、人生の財産となります。そんなん要らん、って?すいません。私の勝手な思い入れにより、これからだんだん力説が増えるかもしれません。BGMとしてスルーして頂いて結構です。

あなたは自分が細かいことを気にし過ぎるのを病気だと思っていますが、これについても口出しをさせて下さい。いきなり西洋占星術の話になりますけれども、あなたの出生図では月と金星が乙女座です。ベース神経質です。治すのは諦めたほうが良いです。だって悪いことじゃないし。

そしてその、要因とかの話よりも私が伝えたいのは、自分がぴったり収まる”枠”は、いつも存在するわけではない、ということです。例えばあなたは大学の人が少ない棟のトイレでは、扉を開けたまましていますね。あれは何の賭けですか?あなたが「臆病」で「繊細」というのは本当でしょうか?

ちょっと雑になりましたが、まあそういうことです。

ではごきげんよう!

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